学級問題を解決する エンカレッジシート(8) 学級に向かい合う体験

北海道公立学校スクールカウンセラー 青沼 眞弓

エンカレッジシートは、生徒の既知のモラルを確かめるものではない。今起こっている問題を自分たちの問題として捉え、学級に向かい合う体験をするのである。

特に問いの「①学級にとってマイナスになることは何でしょう?」「②学級にとってプラスになることは何でしょう?」によって、学級の課題を冷静に捉えられる。教師はいじめ問題を既知する立場として、②は愚問ではないかと心配になるかもしれない。しかし、生徒の立場でそれを考えることで、自主性や協同性が育まれるのではないだろうか。

いじめ問題で実施したエンカレッジシートのまとめから、問い①②の生徒の意見を紹介する。

【事例】数回にわたり、特定の生徒の靴の中に画びょうが入れられていた。問題を起こした生徒は不明。エンカレッジシートは学年で実施。

①学年にとってマイナスになることは何でしょう?

・楽しいはずだった学校生活が楽しくなくなる。

・学年全体の雰囲気が悪くなり、協力やまとまりがなくなってしまう。

・学年で団結する行事や生活が乱れる。ピリピリした学級になる。

・友達みんなを信用できなくて、学年みんなの仲が悪くなる。

・学級全体が元気がなくなってしまう。勉強に集中できなくなる。

・こんなことが続くと、安心できなくなり、楽しい学校生活を送ることができなくなり、学校に行きたくなくなると思います。もし、またこんなことがあったら、中学生としておかしい。みんなの信頼がなくなる。

②学年にとってプラスになることは何でしょう?

・ない(多数意見)

・対策について一人一人が考えるようになる。

・何もない。プラスになることが一つもないから、みんな嫌な気持ちになる。それに気付けない人は、事の重大さを分かっていない人。

・プラスになることなんて限りなくゼロに近いと思うが、わざわざこの時間をとって一つ一つの事件に向き合って、みんなの心に少しでも「こういうイタズラはもうあってはいけないんだ。これからなくしていくためにはこうしたらいい! なくしていこう!」という考えが生まれたのではないかと思います。

・なかなかあるって思えない。このようなことで何かプラスになったらダメなんじゃないかと私は思います。

・みんなでなくそうとする協力と努力する力が大きくなる。

・このような事件が起こらないように学年中が意識するようになる。

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