発達障害を抱えた子の可能性を伸ばす指導(7) つまずきの芽は幼少期に

明蓬館高等学校校長 日野 公三

幼少期に発語の遅れや多動・衝動性がみられ、ひとり遊びの癖、関心が移りやすい、眠りが浅い、夜泣きなどの特徴を持ったいわゆる「育てづらい子供」は、ある種の発達の課題を持ち続けている可能性がある。

そうした子供は言動が特異だったり、感情をうまく表せない、人と目を合わせないといった特性を持っているケースも少なくない。

幼少期のこうした兆候に本人も周りも気付かず、適切な対応やスキルトレーニングができないままだと、何らかの二次障害が起こる。

前回説明したように、最終的には社会参加や社会的自立のタイミングでつまずきやすくなるのだが、今回は成長の過程で生じる問題を見ていこう。

学童期には、集団に対して過敏になったり、学習面で遅れがちになったりする。対人スキルの引き出しの少なさから、適切な度合い・間合いで他人と接することができず、トラブルを起こしやすく孤立しがちになる。結果、学校に行くのを渋るようになり、不登校にもつながっていく。

思春期には、マズロー5段階欲求説が示す「帰属の欲求」(誰かとつながりたい)や「自我の欲求」(周囲に認められたい)が満たされないことによる自尊感情の低下を招きやすい。

常に落ち着かず、言いたいことがうまく言えない、先生や友達の言っていることがよく分からない、勉強のペースが速くてついていけない、手順やルールが分からない、などと感じるようになり、自信を喪失し、不安感にさいなまれる。自己評価が低く、対人面でも親密な関係を築くすべが持てなくなってしまう。

うつ傾向がみられるのは中学生以降である。この頃には頑固さ、融通のきかなさも目立ってくる。もともと変化に対応するのが苦手なことも相まって、新しい事柄や場面、人に対する苦手意識が強くなる。

不登校や引きこもりが始まるのは中学1、2年次が多い。これは、自分と自分を取り巻く周囲との関係性に悩み始める時期だからである。