18歳になる前に―考え、関わる社会の問題(7)持続可能なまちづくりを探る

東京都立高島高校教諭 大畑 方人

筆者が勤務する東京都立高島高校は、東京23区北西部の板橋区高島平にある。

江戸時代後期の砲術家、高島秋帆ゆかりの地である高島平は、1960年代以前は広大な水田が広がり、都民の食料供給地として建物の新築や増築を制限する「緑地地域」に指定されていた。

その後、高度経済成長に伴う都心の人口増加に対応するため、70年前後に「高島平団地」が建設され、林立する団地群と周辺の住宅に4万人以上が移り住んだ。

この新都市が誕生した当初は、若いファミリー世代が多く転入し、にぎわいと活気にあふれていた。だが、それから40年以上が経過したいま、公共施設や団地全体は老朽化し、生産年齢人口の減少と急速な高齢化が進行している。

こうした状況に対応するため、板橋区は都市再生のグランドデザインを策定し、高島平を「東京で一番住みたくなるまち」にするという目標に向け取り組みを進めている。

このような地域の特性を踏まえ、筆者の授業では地域課題の解決に向けた探究的な学習を行っている。2回にわたってその内容を紹介したい。

課題探究学習の第1ステップはテーマの設定である。まず、地域の現状に関する新聞記事などの資料を示し、生徒が自ら課題意識を持てるように促す。その上で、グループごとに高島平地域の特徴を話し合わせ、探究するテーマを絞り込ませる。

第2のステップは情報収集である。その際に大切なのは、体験的な活動を通して課題を発見することである。授業ではフィールドワークを行い、生徒自身の目と足で情報を集めさせている。

具体的には、高島平の魅力と課題について地域住民にインタビュー調査を実施する。その際、できるだけ幅広い年齢層から意見を集めるよう指示し、多面的・多角的な視点を持たせることを重視している。

第3のステップは、フィールドワークで得られた情報の整理と分析である。インタビュー調査の結果、散歩中の高齢者から「生活はとても便利。ただ、洋服を買えるような大型スーパーがほしい」という意見を得る。

子連れの主婦からは「公園や図書館、児童館があって子育てはしやすいが、外国人のマナーが悪い」といった声を聞くことも多い。これらの意見を「魅力と課題」の視点で整理・分析させ、ワークシートにまとめ可視化する。

次回は、生徒たちが考えた課題解決策を取り上げる。