18歳になる前に―考え、関わる社会の問題(8)探究学習で育む資質と能力

東京都立高島高校教諭 大畑 方人

前回に続いて、地域課題の解決に向けた探究学習の後半部分を紹介する。

課題探究学習の第4ステップは、地域の魅力を伸ばし、課題を解決する方策を提案することだ。

具体的には、付せんや模造紙を使いながらブレーン・ストーミング(ブレスト)でアイデア出しをして、生徒の発想力を引き出している。

ブレストの際には▽批判厳禁▽自由奔放▽質より量▽便乗歓迎――といったグランドルールを設定し、生徒が安心して発言できる場づくりを意識している。

第5のステップは、アイデアのまとめと表現である。筆者の授業では模造紙を使ってポスターを作成し、ポスターセッションで発表する形式にしている。

ポスターを作成する際には▽明確で魅力的なタイトルを付ける▽要旨を端的に表現する▽文字だけでなく図表を有効に活用する――などの工夫を意識させ、表現力を高められるように留意している。

発表に際しては▽ストーリー構成▽ポスターの内容▽言葉による表現力▽言葉以外の態度――といった評価の観点を設定し、生徒たちに相互評価させている。

生徒たちが実際に提案したものに、「廃校になった学校や老朽化した建物を、若者を呼び込むショッピングモールや娯楽施設に建て替える」「団地をリノベーションして子育て世代に格安で提供」「都立赤塚公園で音楽フェスを開催」「外国語の標識を増やして共生を図る」といった事例がある。

こうした課題探究学習を通じて、次のような資質・能力を育むことができる。

まず、情報を収集し社会課題を見つけ出す課題発見力。次に、社会課題を解決するアイデアを考える創造力。そして、アイデアを分かりやすく、説得力をもって伝えられる表現力である。

これら汎用(はんよう)的なスキルを身に付けることは、これからの社会を生きる上で極めて重要だといえるだろう。

新学習指導要領でも探究的な学習が重視されており、特に他者と協働して課題を解決する学習活動の重要性が指摘されている。

それを実現するには、学校と地域社会・外部組織との連携が不可欠である。また各学校における教科横断的なカリキュラム作成や、生徒の学習活動を適切に評価する基準の設定も求められる。