18歳になる前に―考え、関わる社会の問題(10)僕らの政党をつくろう

東京都立高島高校教諭 大畑 方人

18歳選挙権の実現に合わせて、各学校では主権者教育が推進されるようになり、さまざまな実践が積み重ねられている。

一方で、若者の政治に対する関心は、十分に高まっていると言い難い。それは投票率からも読み取ることができる。

18歳選挙権の導入後、初の国政選挙となった2016年の参院選では、18歳の投票率は51%と比較的高く、主権者教育の効果があったとする意見もみられた。

だが、17年の衆院選で18歳の投票率は48%となり、19歳に至っては33%まで落ち込んでしまった。

衆院選時の19歳には、参院選の時点で18歳だった人が多く含まれており、単純に比較すると、この年代の投票率は参院選の際の51%から、わずか1年余りで33%まで低下したことになる。こうした現状を踏まえると、主権者教育の一層の充実が求められよう。

ここでは「僕らの政党をつくろう」というワークショップ型の授業を紹介したい。大まかな展開を言うと、4~5人のグループになって政党名、キャッチフレーズ、政策の内容を考え、最後にプレゼンテーションするというものである。

昨年度に実施した授業では、「幸せ党」や「老若男女党」など、バラエティーに富んだ政党名が考案された。キャッチフレーズは「若者と政治をつなぐ」「子育てがしやすい社会に!」といった、若い世代を意識したものが多かった。

政策分野では、教育の無償化や保育・少子化対策、消費税・税制など、自分たちの生活に密接に関わるテーマを選ぶグループが多く、憲法改正や外交・安全保障を選ぶグループは少なかった。政策の具体的内容は「給付型奨学金の拡充」「保育士の待遇改善」のほか、「独身税の導入」「消費税を20%にし、福祉を充実」など、ユニークな提案もあった。

この授業の目的は、模擬選挙で実際の政党が掲げる政策を比較検討する際、自分なりの「判断軸」を持たせることにある。

受け身の姿勢で各党の政策を吟味するのではなく、各自が政策的志向を持った上で、積極的に各党の主張を見極める力を身に付けることを目指している。

今年7月には参院選が控えている。18歳選挙権が導入されてから3度目の国政選挙となるが、果たして若者の投票率はどの程度になるだろうか。

主権者教育の成果が表れるよう期待したい。

(おわり)

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