校則にしばられる生徒たち―浮かび上がる学校の歪み(1)おかしな「校則」の広がり

ストップいじめ!ナビ副代表 須永 祐慈

最近、「校則」に関する話題を見聞きすることが多いのではないだろうか。髪型や服装の規定だけでなく、携帯電話や化粧品の持ち物規制、休憩時間の過ごし方、登下校時の振る舞い、恋愛禁止やSNSの使い方など、学校ごとにさまざまな「ルール」が存在する。

「Q 通っていた学校(中学校・高校)では、以下のようなルール(理不尽な校則)はありましたか?」(複数回答)で、項目を選択した/しなかった人の集計(n=1000)

そんな中、2017年末から「ブラック校則」という言葉が、ネットや報道で盛んに取り上げられている。その発信源は「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」だ。社会課題に取り組むメンバー数人が発起人となりスタートした。私はその発起人の一人である。

同年、大阪府立高校で、生まれつき茶髪の生徒が校則を理由に髪を黒く染めるよう指導された。「従わないなら学校に来るな」と言われ、精神的ショックを受けた生徒は不登校になり、学校を提訴した。これは日本国内だけでなく、海外メディアでも大きく取り上げられ、プロジェクトを立ち上げるきっかけとなった。

「理不尽な校則や指導によって、今でも苦痛を感じている子がいる」。1980年代、管理教育と共に校則の在り方はたびたび議論の俎上(そじょう)に上った。しかし、その後40年近くたった今も問題が続いていることに驚きを禁じ得なかった。同時に、今こそこの問題に向き合う必要性があるとも感じ、SNS上で呼び掛け、取り組みを具体化させていった。

プロジェクトでは主に▽ネットでの署名活動や賛同人の呼び掛け▽SNSやウェブページ、面接などを通じた事例募集と質的調査▽18歳以上を対象にした、中学・高校時代の校則に関するアンケート調査――などを行った。

17年末のスタート時にホームページを立ち上げ、記者会見で署名を呼び掛けた。翌年3月には調査結果を報告。いずれの記者会見も大きな関心を呼び、各種メディアで紹介された。

統計調査では、図のように半数超の人たちが「理不尽な校則があった」と回答している。中学時代で三人に二人、高校時代で二人に一人の割合だ。

調査前に寄せられた報告からは「スカートの長さが決められている」「運動中の水飲み禁止」「髪型指定」など、18項目の理不尽な校則が運用されていた実態が確認された。

何を「ブラック」とするかは意見が分かれるだろうが、まずは多くの人が理不尽な校則の存在を認識している現状を共有しておきたい。

教職員の中には「生徒指導上、校則は必要だ」と考える人も少なくないと思う。ただ、細かく見ていくと、本当に必要な校則がどれくらいあるのか、理由の分からないルールの下で指導していないか、生徒の意見は反映されているのかなど、数々の疑問が湧いてくる。

調査結果をベースに、それらの疑問に向き合うことから始めたい。


【プロフィール】

すなが・ゆうじ NPO法人ストップいじめ!ナビ副代表として、自身の経験などを基にいじめや不登校問題に取り組み、各地で講演や支援活動を展開。また「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」の発起人として、全国の校則の実態調査を進め、不登校やいじめと校則の関連性を追及している。