「書く力」で子供を伸ばす(8)「書く」の軽重

関西学院初等部教諭 森川正樹

授業中の「書く」場面

授業の組み立ての中での「書く指導」について考えてみよう。先日、研究授業を参観した際、次の三つの「書く場面」があった。

①登場人物の気持ちを書く

②登場人物の気持ちを書く

③続きを想像して書く

子供たちは頑張っているのだが、重い空気が教室を支配していた。その空気は、書く指導の軽重を意識することで取り払える。

7種類の「書く」活動と「密度」

1 参加を促す「書く」(密度低)

2 記録を促す「書く」(密度中)

3 整理する「書く」(密度中)

4 読みを促す「書く」(密度高)

5 創作させる「書く」(密度高)

6 理解・定着を促す「書く」(密度低)

7 総合的に「書く」(密度高)

1は、選択肢から決定したものを書かせる場合。例えば選択肢ABCの中から「A」、○×の「○」などを選び、ノートに書かせて参加を促す「書く」である。密度(=書くレベル)は低い。2は、友達の意見を自発的にメモしたり、教師が意図的にメモさせたりする場合。3は板書を書き写す場合で、2・3共に密度は中となる。

4は「読むために書く」。登場人物の気持ちを想像して書かせたり、感想を書かせたりする場合。5は「続き話」や作文を書くことで、4・5共に密度は高である。

6は授業の「まとめ」。例えば、物語の中では直接描かれていないが、登場人物の気持ちが分かる文章を見つけ出す――といった、授業で定着させたい国語の力などをまとめる「書く」である。カッコ内に言葉を入れる活動が主になるので、全員がほぼ同じ文章を書くという意味で、密度は低くなる。

7は「振り返り」や「単元のまとめの感想文」。自分の成長や授業のまとめ、友達についてなど総合的に書く。密度は高くなる。

軽重も意識して授業展開を考える

先の研究授業での①~③の書く場面を、7種類の書く活動に当てはめてみよう。

①登場人物の気持ちを書く→4 読みを促す「書く」

②登場人物の気持ちを書く→4 読みを促す「書く」

③続きを想像して書く→5 創作させる「書く」

読みを促す「書く」を連続して行い、さらに創作させる「書く」を加える展開は、活動の密度が高く、子供は重いと感じてしまう。そこで活動の軽重を考え、次のような授業展開を考えてみる。

1 参加を促す「書く」(密度低)

3 整理する「書く」(密度中)

4 読みを促す「書く」(密度高)

これなら書く活動の密度が「高い」→「高い」→「高い」とならない。もちろん活動は授業の狙いによって決定するものであり、軽重ありきではない。だが、授業展開を考える際に子供たちの様子を想像し、「ちょっと重いかな」と判断する感覚は、どの子も分かる、できる授業をする上で大切である。