新たな時代のキャリア教育(1)「わくわくエンジン」の発見

認定NPO法人キーパーソン21代表理事 朝山 あつこ

突然ですが、読者の皆さんは毎日わくわくした気持ちで仕事していますか? 人生はもちろん、毎日の生活の大きな部分を占めるわけですから、わくわくしながら仕事できたら幸せですよね。

私たちキーパーソン21では、18年間にわたり「どのようにすれば子どもが主体的に考え動く人に育てることができるのか」という問いと向き合ってきました。そしてこの問題は、子どもの成長段階における育むべき最優先事項であるがゆえに、関わる多くの大人たちの重大な悩みの一つでもあるようです。私たちは、解決の鍵として「わくわくエンジン」を子ども一人一人から丁寧に引き出し、それを生かした教育の実践を提唱しています。

日本全国で実践を進める

「わくわくエンジンの発見」から始める考え方やメソッドは、北海道から沖縄まで全国に広がり、学校、PTA、行政、大学、企業、NPOなどさまざまな団体と連携することで、学校を中心としたまちづくりや、生きづらさを抱えた子どもの意欲醸成の手段としても活用されています。この連載では10回にわたり、わくわくエンジンに気付くことから一人一人が主体的に考え、行動するようになるという話をしていきます。

「わくわくエンジンって何だ?」と思う方もいるでしょう。わくわくして動き出さずにはいられない原動力のようなものです。大人も子どもも、誰でも必ず一つは持っています。自分の心や体が素直に向いて、自然と動き出してしまうような、たとえくじけても、もう一度工夫したり頑張ったりしたくなるような、一人一人の中にあるエネルギーの元です。

子どもと向き合い成長に貢献する教師という仕事は大切で素晴らしいものです。誰もが一度はなってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。とはいえ、毎日の授業、絶え間ない行事、気が抜けない子どもとの真剣勝負、日々起こる思いがけない事件、保護者との連絡、職員室の人間関係、テストの丸付け、書類作成――と仕事には終わりがなく、理想の教師像と現実は違った、と思う方も少なくないかもしれません。

そんなとき、ちょっと立ち止まって考えてほしいのです。「何で先生になろうと思ったんだっけ」「先生という仕事のどこにわくわくエンジンがあるのだろう」、そして「自分のわくわくエンジンって何だろう?」と。日本の教育の中核を担う教師にこそ、ぜひわくわくエンジンを発見してもらい、日本中の教師にわくわくした気持ちで仕事してほしい。そう思っています。


【プロフィール】

あさやま・あつこ 認定NPO法人キーパーソン21代表理事として、「一人一人のわくわく」から主体性を引き出すキャリア教育を全国で展開中。開発したプログラムは2016年、経産省主催「キャリア教育アワード」の中小企業部門で最優秀賞を受賞。著書に『ふつうの主婦が見つけたやる気のエンジンのかけ方』(高陵社書店)。