校則にしばられる生徒たち―浮かび上がる学校の歪み(2)何のための「校則」か

ストップいじめ!ナビ副代表 須永 祐慈

そもそも「校則」は、どのように規定されているのだろうか。

文科省の「生徒指導提要」によると「学校が教育目的を実現していく過程において、児童生徒が遵守(じゅんしゅ)すべき学習上、生活上の規律として」定められている。

特に法律で規定されてはいないが、過去の裁判例では「学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内において校則を制定し、児童生徒の行動などに一定の制限を課することができ」るとある。また、校則を制定する権限は校長にあるとしている。

「Q あなたの通っていた学校では、以下のようなルールはありましたか?」(複数回答)に「あった」と回答した割合(中学時と高校時)

生徒指導提要の「教育目的の実現」とは何か、判例の「合理的範囲内の校則」が何であるかは、細かく説明されていない。各学校に校則制定の権限があることは、教育の独立性維持の面で意味はあるものの、教育現場に委任しすぎると、子供を抑圧・排除する手段となるリスクにつながる懸念もある。

実際、私たちの調査から見えてきた校則は、本来の目的にかなっているものだろうか。

「ブラック校則調査」では、18項目の「理不尽校則」を提示し、その割合を調べた。図は、10代の回答者に中学・高校時の経験を聞き、比較したものだ。

中学時代では多い順に「スカートの長さが決められている」「チャイムの前に着席をする」「帰宅途中に買い物をしてはいけない」「眉毛をそってはいけない」。高校時代では「スカートの長さが決められている」「整髪料を使ってはいけない」「眉毛をそってはいけない」「チャイムの前に着席する」となっている。総じて中学校のポイントが高く、髪型や容姿に関する細かな校則が目立つ。

中学と高校の比較では、「帰宅途中に買い物をしてはいけない」「チャイムの前に着席をする」「眉毛をそってはいけない」などの校則で開きがみられた。

この開きは教師からすれば、中学生に基本的な生活態度を身に付けさせるためであり当然の結果、と捉える向きもあるだろう。だが、それら校則は生徒が納得したものか、過度な苦痛を感じるものになっていないか、検証は必要だ。

「自分たちの時代は校則がもっと厳しかった」という声もあるが、「当たり前」にある校則が萎縮や過剰なストレスを生み、子供たちを過度に追い込んでいるとすれば大きな問題だ。理不尽な校則は、そんな視点で見直す必要がある。

生徒指導提要には、校則は「絶えず、積極的に見直さなければなりません」と書かれている。文科省は1991年に校則見直しの調査結果を公表しているが、以降も絶えず積極的に校則を見直している学校がどれだけあるだろうか。