「書く力」で子供を伸ばす(9)「振り返り」を書かせる

関西学院初等部教諭 森川正樹

主体的・対話的な授業実現の要

「振り返り」とは授業後に書かせる感想を指す。振り返りを書くという状況は、「きちんと参加していなければ書けない」状況を生む。さらに、友達の名前を入れながら書かせるため、授業中はおのずと友達の発言に意識が向き、発言者のメモを取るようになる。かくして学びは「主体的で対話的」なものとなる。

実際の「振り返り」(1年生3学期)

実際の振り返りを見てみよう。次の作品は、1年生の3学期(3月)に書いた国語の振り返りの一部である。授業は「1Aものがたり文ランキング」といって、これまで学習してきた『おおきなかぶ』『くじらぐも』『ずうっと、ずっと、大すきだよ』『たぬきの糸車』の4教材の中から自分なりのランキングを決める、という内容。その話し合いの授業を受けて書いた振り返りである。

―分かったことは、じゅんいがぜんぶ一いだということです。『おおきなかぶ』はきずな、たっせいかんをかんじるさくひん、『くじらぐも』はくものくじらがしゃべる→ものがたり文のせかいではいろいろなことがおこる!『ずうっと、ずっと、だいすきだよ』は自分のけいけんとくらべることができるさくひん、『たぬきの糸車』はおんがえしの物語でした。

あと「ずかい」もべんきょうできました。(中略)

あと、ものがたり文、せつめい文をよむことで、自分のきもち、せいかく、せいかつ、こうどう、心ぜんぶあわせて人生がかわるかもしれない。ということもわかりました。ぼくはランキングときいたので、一位、二位、三位、四位があると思いました。ぜんぶ一位になってしまうなんて思いもしませんでした。けれども、きめられないんです―。

ここでは友達の名前は出ていないが、一年生でも十分対話的な書きぶりになる。

「振り返り」に書かせる内容

振り返りではそのときの学びを具体的に書かせる。「ワークシート」に書かせると、その都度子供たちに意識させる点を伝えられ、回収後一度にスキャンやコピーがしやすい利点もある。ワークシートの最初に次のようなチェック項目を入れて意識させる点を伝える。

□授業で学んだこと □友達の名前 □言おうと思っていたけれど言えなかったこと □疑問 □次考えたいこと

これらの内容の項目を学年に応じて文言を変え、自分で書きながらチェックできるようにする。

「振り返り」が書ける環境づくり

子供たちはおのおのノートを見返しながら振り返りを書いていくため、ノートに学びの跡が残っている状態でなければ具体的な内容にならない。前出の例は1年生なので、板書が多くなるときには全員に板書の写真を配布して書かせていた。同時に、きちんと評価してあげることも大切である。