校則にしばられる生徒たち―浮かび上がる学校の歪み(3)校則が増えている

ストップいじめ!ナビ副代表 須永 祐慈

私たちのプロジェクトが目指すことは三つある。一つは署名活動を通して行政や学校に校則問題の改善を働き掛けること。二つは理不尽な校則を経験している人の事例調査を行うこと。三つは統計的に把握するためのアンケート調査の実施だ。

現状の把握や調査を行い、メディアなどを通じて結果を公表することによって問題を提起し、学校現場をはじめさまざまな場所で議論やアクションが起きるきっかけになれば、と願っている。

前回、10代の回答者が中学・高校時に体験した校則に「スカートの長さチェック」「チャイム前の着席」「眉毛そりの禁止」「整髪料の使用禁止」などがあることを紹介した。

中学校時代の校則経験(年代別)

今回は対象となる世代を広げ、校則の時代変化を見てみたい。当初、私たちは「90年代以後、校則は減っている」とみていたのだが、その予測が外れる結果となった。

図は、10~50代の各世代の校則経験を「中学生時代」に限定して年代別にまとめたものだ。今回は計18の選択項目から、特徴的なものに絞って掲載した。

注目してほしいのは、ほとんどの項目で校則の経験割合が上昇している点だ。減少したのは「体育や部活時に水を飲んではいけない」だけだった。

過去の「スポ根」風潮から、熱中症の危険性の認識が広がり、変化してきたことが分かる。

世代が若くなるにつれて顕著になるのは「スカートの長さが決められている」「チャイムの前に着席する」「帰宅途中に買い物をしてはいけない」「眉毛をそってはいけない」「整髪料を使ってはいけない」だ。特に髪型や服装に関係する校則が増加している。

この背景として考えられるのは、学校が校則を含んだ前例を踏襲する傾向や、新たな統率ニーズの拡大、教員の多忙化で一括管理が進んだことなどもある。だが、これらの仮説を裏付けるには、学校現場の声を聞き取る調査や研究が改めて必要になるだろう。

「年代」でも違いがある。例えば、10代に次いで経験割合が高い40代は、1980年代の管理教育下で過ごした世代だ。その反動で30代、20代の割合がやや低くなっているのは、学校関係者なら実感するところではないだろうか。

「高校生時代」は「スカートの長さ」「整髪料禁止」「眉毛そり禁止」「チャイム前着席」の上昇が顕著だが、それ以外は中学校よりやや緩やかに上昇していた。ただ、総じて現在の方が高い傾向にあるのは中学生時代と共通している。

この結果を教師はどう受け止めるだろうか。