校則にしばられる生徒たち―浮かび上がる学校の歪み(7)不適切な指導を巡る問題

ストップいじめ!ナビ副代表 須永 祐慈

学校には「生徒手帳」などに記載された校則以外に、明示されていないが教員が決めた規則や、教員ごとに異なるルールもある。寄せられた意見の中には「ブラック校則ではないのですが…」と遠慮がちに前置きした上で、こうした「隠れた校則」について訴える声も多く含まれている。 今回は、校則が元となって行われる「不適切な指導」を取り上げる。理不尽さを増した指導は子供のストレスを増大させ、尊厳を傷つける。将来の希望や自己肯定感の育成を阻む要因にもなる。さらにこれらは、いじめの増加など、さまざまな学校リスクもはらんでいる。 図は、中学校での「理不尽指導」19項目のうち、10代で変化の大きかった項目に絞って整理したものだ。 「連帯責任で叱られた」「軽く/強く叩かれた」「人前で強く叱責(しっせき)された」「廊下に立たされた」など、多くの項目で軒並み40代がピークだった。管理教育を経験した世代でもあり、時代の状況がよく表れている。 直近の10代の経験者で一番増加している項目は「人前で成績を難じられた」「下着の色をチェックされた」「髪の毛を切ったり染めたりするよう求められた」である。その背景は分析する必要があるが、特に下着の色のチェックは公表後に多くの反響を呼んだ。一方、最も減少している項目は「強く叩かれた」「授業中に正座」「髪の毛を強制的に散髪・洗髪」などである。 40代がピークで、最近再び増えているものには「連帯責任で叱られた」「みんなの前で謝らされた」「反省文を書かされた」「髪の毛を切ったり染めたりするよう求められた」「部活を辞めさせてもらえなかった」「体調不良やけがでも授業の参加を強要」などがあった。 全体的に体罰に関する項目は減少しているが、みんなの前で謝らされたり、参加を強要させられたりと「精神的ダメージ」を負わせる指導が増加・継続している。40代よりは少ないものの、いまだ継続している項目に「軽く叩く」「人前で強く叱責」などもある。 特に人前での強い叱責は「羞恥刑」と呼ばれ、叱られた子供だけでなくクラス全体に強い圧力がかかる。 こうした指導によって子供がダメージを負っても、大人はその心理的な変化にすぐは気付きにくい。だからこそ、過度で不適切な指導や振る舞いがないかチェックが必要だ。 そもそも学校は「理不尽への耐久力」を身に付ける場所ではなく「理不尽に抵抗できるスキル」を身に付ける場所であるべきだ。