校則にしばられる生徒たち―浮かび上がる学校の歪み(8)不登校につながる校則問題

ストップいじめ!ナビ副代表 須永 祐慈

理不尽な校則や行き過ぎた指導は大人が考えている以上に、子供たちに不安を与え、萎縮させている。

例えば「不登校」の子供の視点で捉えると、何かの形でこれらが影響していると分かる。私たちのプロジェクトでは、かつて不登校当事者だった若者からも話を聞いた。すると、いじめが理由で不登校になった子供にも、学校の決まりや縛りが複合的に関わっていることが明らかになった。

中学1年生のときに不登校を経験した20代男性は、バスケットボール部顧問のいじめと体罰が理由で不登校になった。学校生活で校則指導の厳しさは特に感じなかった一方、普段から生徒同士で「ルールを監視し合う空気」があり、かなり嫌な気持ちを抱いていたという。

例えば、髪型について友人同士が「こいつはOKだけど、あいつは怪しい」などと言い合う姿があった。この男性は外国にルーツを持ち、髪型や肌の色が他の生徒と違っていたが、意図的に「お前は?(大丈夫か)」と身体的特徴をいじるような話題を振られたこともあった。それらの積み重ねによるストレスが不登校の一因になったと振り返る。

中学2年生から不登校になった経験を持つ30代女性は、その理由に「仲が良かった友人から無視された」「校則やルールに息苦しさを感じていた」「学校で勉強する意味が分からず嫌になり、手につかなくなった」などを挙げた。

中学入学時に細かな制服規定があると知り、初日から緊張感にさいなまれて登校。その後も毎日、着衣に乱れや間違いがないよう細かく気にした。髪型や服装、持ち物のルールが細かく、登下校は制服、教室内ではジャージー着用がルールだった。「裏ルール」も存在し、カバンを肩にかけていないと「生意気」と指導された。

冬場も薄着前提で、特に生理痛がひどいときには体調が悪化したこともあったが、教師は取り合ってくれなかった。「意味が分からないルール」にストレスを感じていた上、いじめを受けたことで体調不良を招き、不登校になった。女性は「校則やルールによる『監視体制』の苦痛は大きい」「学校は合理的ではない」と語気を強めた。

文科省が不登校経験者を対象に実施した「不登校追跡調査」では、中学生の10.2%が「学校の決まりなどの問題」を不登校理由に挙げている。一方、同時期の同省の「問題行動等調査」では中学校で3.4%、2017年度調査でも3.5%が「学校の決まりなどの問題」を理由に不登校になったと挙げている。

両調査のデータには開きがあり、学校生活で苦しさを感じる子供の本音を探る調査がさらに必要だろう。