SDGs4.7とこれからの学び~アジアの教育を見つめながら(1)SDGsと教育の役割

グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)・グローバル教育プロデューサー 木村 大輔

「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、そして「持続可能な開発目標(SDGs)」をご存じだろうか。2015年に国連加盟国全193カ国が採択した、人間、地球の繁栄のための行動計画である。

カラフルなロゴを見たことがあるかもしれない。これは、今ある世界が「持続不可能な社会」となっていることを前提に、2030年までに平和で持続可能な世界にしていくために作られた国際目標であり、世界を変革する野心的な17のゴールが示されている。

持続可能な開発目標(SDGs)17のゴール

16年以降、開発途上国だけではなく、日本を含む先進国全てがこの地球規模の課題解決に向け取り組みを進めてきている。「誰一人取り残さない(Leaving no one behind)」社会を目指し、政府をはじめ自治体、企業、民間セクター、個人に至るまで、いま、アクターとしての行動が求められている。

持続可能な世界をつくるために教育が果たす役割は大きい。教育を通じて世界を知り、現状を学び、実際の行動に移すプロセスを学ぶことができる。このプロセスの中で知り得た課題に自ら関わることで、人ごとから自分ごとにつなげることができ、結果として地域の、さらにはグローバル社会の課題に向き合う人を動員できるのである。

教育はすでにグローバル政策の一つとなっている。世界の仕組みやつながりが急速に変化する中で、国連のみならずG7やG20、世界経済フォーラムといった大きな会合においてもSDGsや教育の重要性がうたわれ、すでに教育の方向性や改革の足並みがそろってきている。

教育は何のためにあるのか、という問いにさまざまな機関が方向性を示しているが、共通しているのは「より良い世界」をつくるという点だろう。新学習指導要領の前文、総則においても「持続可能な社会の創り手」の育成を掲げているように、各国で教育の在り方をアップデートする流れにある。

では、どのようにこれを実現するのか。重要な手段として挙げられるのが、連載のタイトルでもある「SDGs4.7」である。SDGsは17のゴールに加え、169の詳細なターゲットが定められており、SDGs4.7はゴール4「質の高い教育をみんなに」の7番目のターゲットに当たる。

なぜこのSDGs4.7が重要なのか、一体何を指すのか、そして、今の学校教育にどのように関わっているのか、世界の動きとともに次回以降記していきたい。


【プロフィール】
きむら・だいすけ 青森県出身。金融機関、オックスフォード大学国際開発学部大学院、オーストラリア国立大学公共政策大学院を経てグローバル教育分野に従事。専門はグローバル教育政策と学習評価。ユネスコバンコク事務所SDGs4.7関連会議メンバー。著作にアジアソサエティ「Advancing 21st century competencies in Japan」(研究レポート)。