『自律型学習者』を育てる学校改革(4) 教科の枠を超えた学び

新渡戸文化小中高校教諭 山本 崇雄

新渡戸文化学園の教育の軸である三つのC。Core Learning(教科の基礎となる学び)、Cross-Curriculum(教科の枠を超えた学び)、Challenge Based Learning(社会課題の解決に向けて行動する学び)のうち、今回取り上げるのは二つ目のCross-Curriculumです。

Cross-Curriculumは新学習指導要領でもうたわれているカリキュラム・マネジメントの一つの実践例になるでしょう。教科を超えた学習を、時間割という決まった枠の中で実現するのは一見難しそうですが、工夫次第で簡単に取り組めます。

新渡戸文化学園のCross-Curriculumは、シンプルに物事を複数の教科を通して学ぶところから始めました。今年度は、中学1年生の水曜日の3時間目の英語と4時間目の理科を連続した授業にし、理科の山藤(旅聞)先生と協働で授業を行っています。

山藤先生とは都立校で勤務していた頃から10年以上、学びを社会につなげる教育活動を共にしており、これまでの経験を基にCross-Curriculumの授業をデザインしてきました。教科を超える授業を広く体感してもらうためにこの時間を常に公開して、Cross-Curriculumの理解を深めていこうと考えています。

具体的な例を挙げましょう。まずは学びをSDGs(持続可能な開発目標)につなげ、さまざまな社会問題を理科的、英語的な視点で学んでいきます。

さまざまな課題を理科的、英語的な視点で学ぶ

例えば、検定教科書をSDGsに関係するレッスンや章はあるかという視点で読み、付箋を付けていきます。すると、SDGsの目標15の「陸の豊かさも守ろう」という項目は理科の「生態系分野」に該当し、英語の教科書にも関連するレッスンがあるのに気付きます。理科と英語の教科書にはたくさんの付箋が付き、結果、主体的に教科書を読むことになるのです。

その中で、子供たちは解決したい問題の解決法を自分なりに考え始めます。このとき、実際に社会問題の解決に取り組んでいる企業やNPOをうまくつなげると、世代を超えたパートナーシップが生まれ、やりたいことを具体的なプロジェクトに落とし込む流れができます。授業を通して「100人の大人につながる」ことをイメージし、教室に企業やNPOの人たちを呼び込んでいます。

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