『自律型学習者』を育てる学校改革(5) 社会課題の解決に向けて行動する学び

新渡戸文化小中高校教諭 山本 崇雄

新渡戸文化学園の教育の軸である3つのC―①Core Learning(教科の基礎となる学習)②Cross-Curriculum(教科の枠を超えた学び)③Challenge Based Learning(社会課題の解決に向けて行動する学び)――のうち、今回は最後のCであるChallenge Based Learning(以下CBL)についてお話しします。

CBLは2008年にAppleが“Apple Classroom of Tomorrow-Today(ACOT2)”で提唱した問題解決型学習です。リアルな社会課題を取り上げ、その解決に向けて仲間と協働しながら、テクノロジーを駆使して学んでいきます。

CBLはEngage(興味を持つ)、Investigate(探求する)、Act(行動する)の3段階から成り、最終的には活動を社会に公開することが大きな特徴です。

EngageではまずBig Ideaというテーマを設定します。学習者や社会にとっても重要なもので、複数の方法で探求可能な広い概念になります。

本校ではSDGsをBig Ideaとして利用しています。次にEssential Question(論点)を定め、学びの目的を明確にします。そして、解決したい課題のプロジェクトを起こしてChallengeする流れになります。

例えば、SDGsの目標12「作る責任 使う責任」というBig Ideaに「日本のフードロスが多い産業はなんだろう」というEssential Questionを立てて学び始めます。その中で、「給食の残飯を利用するシステムを考えよう」というプロジェクトが生まれ、チャレンジしていく――といったイメージです。

残飯のグラフを作ったり平均値を求めたりするときに数学の知識を、情報収集のために国語や英語を使う、というように、その過程では教科を超えた学びが自然に生まれます。情報を整理する中で、理科や社会の学びも頻繁に出てきます。

教師はCore Learningと合わせ、CBLで生徒たちがどのような学びをしているかこまめに記録し、CBLのアカデミックな学びを俯瞰(ふかん)して捉えなければなりません。さらに、子供たちの学びを修正していく問いや活動も入れながら、活動を見守っていきます。

学びの目的を明確にしながら他者を意識し、協働して学んでいく。だからこそCBLは深い学びが実現するのです。

【お詫びと訂正】制作上のミスにより、違う原稿を掲載してしまいました。訂正して、おわびします。