SDGs4.7とこれからの学び~アジアの教育を見つめながら(2) SDGs4.7とは何か

グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)・グローバル教育プロデューサー 木村 大輔

SDGsは耳にしたことがあっても、SDGs4.7は初めて聞くという人も多いだろう。一方、ESD(持続可能な開発のための教育)はなじみがあるのではないだろうか。

SDGs4.7は、SDGs達成に向け人の行動・行為を変容(transform)するための重要なターゲットとして捉えられている。その中に、これまで日本が世界に向けて主導・推進してきたESDが含まれているのだ。

ESDは、02年ヨハネスブルグサミットで当時の小泉首相が「持続可能な開発に向けた人材育成の重要性」を提唱し、同年の国連総会で採択されたものである。現在はより強化し、SDGs達成の鍵とすべくESD for 2030が提唱されている。

SDGs4.7は次のように定義されている。「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化が持続可能な開発にもたらす貢献の理解などの教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために、必要な知識と技能を習得できるようにする」。

このように、SDGs4.7にはESDの他に、持続可能なライフスタイル、グローバル・シチズンシップ教育、人権、ジェンダー、平和、文化の多様性といった多種多様な教育が含まれており、これらを通して「誰一人取り残さない」社会を目指している。この理念が、新学習指導要領の全文や総則に掲げられている。

これらの教育で大切にしている領域は、知識・思考力、態度・価値観、そして行動・行為である。学習指導要領の三つの柱「何を知っているか、何ができるか」「知っていること・できることをどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」とも関連している。

昨今、総合的な学習や課外学習でSDGsを扱う事例が増えてきている。ただ、単に世界のことを知るだけではなく、どう考え、世界を自分の住む地域とどのように関連付け、それを実際の行動につなげていくという、行動・行為の変容のための教育であるということ、そして、教師個人も学習者の1人であることを意識してほしい。

長年にわたり多くの実践を重ねている先生方には、受験科目とは関係ないという思いも少なからずあったのではないだろうか。ただ、これまで大切に思い、続けてきた実践が今はグローバルな重要議題となり、30年までに目指す教育の方向性の中心に掲げられている。

先生方にはSDGs4.7実践者となってもらい、学びの意欲、進路や将来の意識の変革など「個人がどんな人生を歩みたいのか、社会、世界とどのように生きていきたいのか」という問いとともに、学びの場を一緒につくっていきたいと考えている。