通常学級における教育のユニバーサルデザイン(2)注意・集中に課題がある子がいたら

星槎大学大学院教授 阿部 利彦

注意・集中に課題がある子どもがもし自分のクラスに在籍していたら、先生方はどのような工夫を検討するでしょうか。調査をしてみると、以下のような支援方法を挙げてくれました。

まず、教室環境の工夫です。実践例としては▽掲示物を必要最低限にする▽教室前面の刺激量を調整する▽視覚刺激制御のためのカーテンなどを設置する――といったものが多くありました。

次に、授業の工夫はどうでしょうか。▽授業の流れを示し見通しを持たせる▽絵や写真、動画を活用する▽ポイントを明確にし、話すスピードや明瞭さを考える――などの実践例が挙がりました。

他にも、先生方は学級経営上の配慮を実践していることが分かりました。例えば▽成功体験を増やし、友達から認められる機会を増やす▽お互いのいいところを認め合えるような学級の雰囲気作りを大切にする▽「ここが分かりません」「もう少しヒントをください」といった援助を求めやすい環境を心掛ける――といった、クラスの人的環境へのアプローチです。

教室環境の工夫、授業の工夫、学級づくりの工夫の三つはどれも重要であり、また相互に関連しています。そして、この三つの工夫がユニバーサルデザイン化の3本柱になると私は捉えています。つまり、教室環境の工夫は教室環境のユニバーサルデザイン化、授業の工夫は授業のユニバーサルデザイン化、学級づくりの工夫は人的環境のユニバーサルデザイン化に対応するのです。この三つを合わせて私は「教育のユニバーサルデザイン」としています。

さて、この三つのユニバーサルデザイン化は、果たして注意・集中に課題がある子だけに必要なことでしょうか。授業で見通しを持たせることや、お互いのよさを認め合えるクラスにすることは、配慮が必要な子だけでなく、どの子どもにとっても大切なのではないでしょうか。

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