『自律型学習者』を育てる学校改革(6) パブリック・リレーションズとは

新渡戸文化小中高校教諭 山本 崇雄

今回は生徒の自律を促しながら、関わる人々との関係性(リレーションシップ)も向上させるパブリック・リレーションズを取り上げます。

第1回で紹介した通り、教員の働き方改革の一環で、私は複数の企業とも契約し、活動しています。その一つが日本パブリックリレーションズ研究所です。ここで主任研究員として、パブリック・リレーションズを学校教育に応用する研究をしています。

パブリック・リレーションズとは、「個人や組織体が最短距離で目標や目的に達する『倫理観』に支えられた『双方向コミュニケーション』と『自己修正』をベースにしたリレーションズ活動」です。経済、政治、文化の急速なグローバル化が進行する中で、民族や文化、言語、宗教、国境を越えてステーク・ホルダー(利害関係者)とのリレーションシップ・マネジメントを実践するパブリック・リレーションズは、グローバルビジネスの基盤になります。

このリアルな社会のリレーションシップ・マネジメントのスキルを学校にも当てはめることで、子供たちが未来につながるスキルを手に入れることができると考えます。主体的学習を促す環境を整えるSEL(Social Emotional Learning)の考え方にも通じます。

子供たちが自律的に学ぶには、学びに「目的」がなければなりません。さらに、学びが誰のためのものであるかを意識する必要があります。

つまり、全ての学びに「目的」と「他者」が必要になります。ですから、パブリック・リレーションズは自律的な学びととても相性がいいのです。

ただ、子供たちに「倫理観」「双方向コミュニケーション」「自己修正」といっても分かりにくいので、子供たちが理解しやすいように学校向けのテキスト『パブリック・リレーションズ for School』(日本パブリックリレーションズ研究所)を出版しました。国際社会で実際に起こった5つの事例を漫画にし、リアルな社会を学校に当てはめていく工夫をしました。出版に合わせて、無料のワークショップも実施しています。

次回からは、「倫理観」「双方向性コミュニケーション」「自己修正」を子供たちにどう伝えていくか、詳しく紹介していきます。