『自律型学習者』を育てる学校改革(8) 対等に対話を重ねること

新渡戸文化小中高校教諭 山本 崇雄

生徒の自律を促しながら、関わる人々との関係性(リレーションシップ)を向上させるスキルであるパブリック・リレーションズ。その三つのキーワード「倫理観」「双方向コミュニケーション」「自己修正」のうち、今回は「双方向コミュニケーション」について詳しくお話しします。

対称性双方向コミュニケーション

米国で歴史的発展を遂げたパブリック・リレーションズを、四つのモデルに分類したジェームス・グルーニッグは、一方向性のコミュニケーションに対して、双方向性コミュニケーションを非対称性と対称性の二つに類型化しています。パブリック・リレーションズでは対称性双方向コミュニケーションが重要だと言われています。

つまり、双方が対等にパートナーシップを組み、対等な双方向コミュニケーションを通して互いを知り、双方が倫理観に支えられながら必要な修正を行って歩み寄り、よい関係を構築することが、パブリック・リレーションズを成功に導く鍵となるのです。

学校では「双方向コミュニケーション」を「対等に対話を重ねること」という言葉で表現しました。「相手がハッピーであるか」を考えながら、対等な対話ができるように自分の言動をコントロールしていきます。生徒が話し合う際に、自分が一方的に話していないか、相手と対等にコミュニケーションしているかを考える習慣がつくと、良好な関係性を築くことができます。

子供たちが「対等に対話を重ねること」を実現するのに一番大切なのは、教師の教え方改革です。教師が一方的に教える教室では、双方向コミュニケーションは生まれません。教師が生徒と対等なパートナーシップを築き、対等に対話する授業をつくることで、教師は生徒の良きロールモデルとなります。

僕が実践している「教えない授業」とは、教師が一方的に教えるのではなく、時に生徒が教師役となって双方向コミュニケーションを意識する授業です。教師自身も生徒や保護者、さまざまな外部関係者と対話するとき、目標を共有しながら双方向コミュニケーションをしていくと教育活動がスムーズになり、外部と協働した授業へとつながっていきます。