『自律型学習者』を育てる学校改革(10) 未来に向けて動き出した学校

新渡戸文化小中高校教諭 山本 崇雄

4月から新渡戸文化学園で取り組んでいる「自律型学習者」を育てる学校改革について、10回にわたって紹介してきました。前半は新渡戸文化学園の教育の軸である3つのC-Core Learning(教科の基礎となる学習)、Cross-Curriculum(教科の枠を超えた学び)、Challenge Based Learning(社会課題の解決に向けて行動する学び)―を、後半は生徒の自律を促しながら、生徒が関わる人々との関係性(リレーションシップ)を向上させるスキルであるパブリック・リレーションズについて、3つのキーワード「倫理観」「双方向コミュニケーション」「自己修正」をどう学校に落とし込んでいくか、具体的に説明しました。最終回は、改革の進捗状況をお話しします。

対等なパートナーシップを組み、共に進んでいく

学校改革を進めるに当たり、大切にしたかったのは、新渡戸文化学園の初代校長である新渡戸稲造先生の理念です。

「この世に生まれた大きな目的は、人のために尽くすことにある。自分の名誉や利益のためではない。自分が生まれたときからこの世を去るまで、周りの人々が少しでもよくなれば、それで生まれた甲斐があるというものである」

Happiness Creator(幸せ創造者)という言葉は、この言葉からヒントを得て考えました。新渡戸先生の理念は、改革のよりどころになると考えています。

始まったばかりの取り組みが多いのですが、目に見える成果として、子供たちの変化が挙げられます。例えば、毎週水曜日に一般公開している英語と理科の観点から社会問題を解決するChallenge Based Learningでの子供たちの様子です。

1学期中に「学園内菜園を作り、持続可能な食の流通を考えたい」と子供たちの中からプロジェクトが生まれ、企業との協働が始まりました。小学校5年生ではグッドアクションクラブという組織が自主的に立ち上がり、使用済みの歯ブラシを回収し、企業と連携しながらリサイクルする活動を始めました。成果は、外部のイベントで発信する機会にもつながっています。

学校改革で重要なのは、教師と児童生徒が対等なパートナーシップを組み、共に進んでいくことだと考えています。ですから、子供たちが変化して見せる、幸せな表情は教育改革の大きな指標となります。

今後、子供たちを会議に招待したりしながら、共に学校改革を進めていきます。新渡戸文化学園の未来にご期待ください。

(おわり)