IN-Child―包括的教育を必要とする子ども(1)今、教育にこそ科学の視点を

琉球大学教育学部教授 韓 昌完

「IN-Child」(インチャイルド)とは私の造語であり、これからの日本社会にこそ必要な新しい概念であると考えている。

数年前、ある小学校のケース会議にアドバイザーとして参加した際、情報共有の場でありながら、子どもの実態やニーズの共有が難しい現状にあることを初めて知った。そこでは(多くの教育現場や研究論文で頻繁に用いられてきたように)、会議で取り上げる子どもたちを「気になる子」「気がかりな子」と呼び、関係者の困りごとを共有するのが中心になっていた。

ここで少し私自身の話をすると、もともとは医学的な観点で障害者や高齢者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)に関する研究をしていたが、障害の専門家として特別支援教育に携わったのを契機に、教育学に関わるようになった。……