
神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖
最近、マスコミがPTA問題を大きく取り上げる際、その深刻さや矛盾を強調するために、必ず法律的根拠や人権意識を絡め、厳しく激しい指摘がなされています。保護者との対立構造は本来学校現場にそぐわぬものですが、それだけ問題が深刻で、事態が行き詰まっているということでしょう。
学校側も、しっかり準備して対応する学校が増えてはいるものの、一方で「一部の保護者はいろいろと主張するけれど、多くは特に何も言ってこないのになあ」と、のんびり構えている学校も少なくありません。この感覚こそまさしく、PTA問題の根源だと思います。
保護者がPTA活動を嫌う理由は明白です。加入に法律的な根拠を持ち出すのは、時間や環境に制約があって役員を引き受けられないのに強制されるからであり、話が人権問題にまで発展するのは、断る理由を求められ、家庭の内情まであらわにしなければならない状況があるからです。……
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