【校長発のPTA改革】学校にとってのPTA

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

保護者から嫌がられ、敬遠されがちなPTAですが、ではなぜ、組織を維持できているのでしょうか。学校にとってのPTAが本来どうあるべきか、いま一度考える必要があります。

詳細な歴史的経緯は省略しますが、PTAとは学校と保護者が子供のために協力する組織であることに間違いありません。一般的な学校は、数百人の児童生徒とその倍近くの保護者が関係し、それぞれ違った価値観を持ちながらも、決められたルールに従い、折り合いをつけながら運営されています。公立学校に関しては、自治体がほとんどの運営内容に一定の標準を設けているので、それに従っている感覚が強いかもしれません。

それでも地域差はあり、また学校ごとの状況は微妙に異なるため、独自の判断も必要となります。とはいえ、その都度数百人と相談するわけにもいかず、代表を決めて協議していくことになります。それがまさにPTAなのです。

しかし現実は、学校がPTAに相談するというより、形式的な承認を得るための交渉――つまり行事の手伝い、動員への協力、不足している備品の整備などの要請がメインになっています。PTAの方も、会長や本部の人間が過去の実績などを確認しながら、特に議論することもなく了承するパターンが続いています。学校にとっては、とても都合がいい相手なのです。

多くの保護者は自分の子供が世話になっているので、ある程度の手伝いや金銭の負担は了解してくれていました。しかし、保護者の生活スタイルが変化し、ここにきて負担の程度や内容、プロセスが許容範囲を超え、大きな問題となっているのです。

もし学校とPTAが、双方向の、互いに率直な意見を述べ合う関係であれば、おそらくその時々で多くのアイデアが出され、許容範囲を超えることもなく乗り切れたでしょう。同時に、学校の抱えるさまざまな課題の解決にも、PTAが大きな役割を果たしたはずです。

別回で指摘しますが、これからの時代にPTAが旧来通りの形式的な活動に終始するのは、学校にとって必ずしも都合のいいことではなく、本来果たせるはずの潜在的な役割を放棄させていることになります。学校は、子供たちのためにPTAを学校運営の真のパートナーとして位置付けるべきだと考えます。

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