【校長発のPTA改革】改革をリードする学校の覚悟

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

長い間引き継がれていたものを大きく変えるには、覚悟とタイミング、そして説得力が求められます。必ず反対意見は出てきますし、そのままにしておいた方が労力的にも精神的にも楽に感じるものです。

私が取り組んだPTA改革の「覚悟」とは、時代が要請するこれからの学校運営を実現する意欲であり、「タイミング」は保護者たちの思いの高まり、「説得力」はほぼ全保護者から得たアンケート結果となりました。

2013年度がスタートしたとき、私は例年通り、PTA役員決定に関わる保護者の対立や、ネガティブな言動を目の当たりにします。本部役員の人たちは苦労に苦労を重ねて、数合わせに奮闘していました。管理職として「今年もまたこの季節…何とかならないか?」と思うものの、行動を起こすまでには至っていませんでした。

そんなとき、PTAで嫌がられる仕事ベスト5に入ると言われている広報誌制作で大きなトラブルがあり、思い切って制作を中止することにしました。広報誌に関しては、以前から労力や費用対効果の点で議論になっていましたが、結論の先送りが続いていました。実際に廃刊にしてみるとほとんど影響はなく「やめることができるんだ」という思いが広がりました。

これがきっかけとなり、本部役員の中で「全ての活動を見直そう」と機運が高まったのです。機が熟していたのもありますが、改革は予想以上のスピードで進み始めました。

アンケートを実施することになった時点で、もう後戻りはできなくなりました。保護者のPTAに対するこれまでの不満や否定的意見が、具体的かつ圧倒的な根拠として表に出てくるわけです。結果が出た後、何も変わらないということはあり得ないのです。

本部役員はある程度の数字が出てくると予想し、一つ一つの活動について検証しながら段階を踏んで改革を進めようとしていました。管理職としては、急激な流れも想定しながら、先を読んで準備しておかなくてはなりませんでした。PTAを最終的にどうするのか。「アンケート結果」を前面に押し出せば、既存のシステムの否定、つまり問題点の指摘までは容易に進みます。その上で解体するのか、抜本的な見直しをするのか、ここが最大のポイントです。

私はこれからの時代の学校運営は、絶対に保護者の当事者としての積極的な関与がなければ成り立たないと考えていたので、後者を選択し、不要だと考えられる活動を可能な限り削減しました。代わりに「子供たちのために」学校と保護者が忌憚(きたん)のない意見をぶつけ合う定期的な会合を設定し、それをPTA活動の中心に位置付けたのです。

この連載の一覧

校長発のPTA改革