【校長発のPTA改革】役員を立候補で決めるには

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

前任校で保護者に実施した「PTAについてのアンケート」の自由記述欄に、こんな書き込みがありました。「逃げ合って、押し付け合って、くじで決められて絶望感。その役割や仕事をイメージすることもできず、前向きな気持ちなど全く持つこともできず、そして徐々にあきらめの境地に達し、1年間我慢するだけ。こんな理不尽なことが許されるのか」。

これからもPTAを存続させていくなら、少なくとも役員に関してこのような感想を持つ保護者が出ないようにしなければなりません。

校長は、少しくらい雑音が聞こえても、一生懸命に頑張っている本部役員や学級役員たちを見て、PTA全てがうまくいっているように解釈してしまう傾向があります。しかし、アンケートでしかこのような意見を表明できない人たちも存在することを忘れてはいけないのです。

どうしたら強制せずに役員を募集できるのか、つまり立候補で決めることができるのか。そのために必要なキーワードが「子供たちのために」であり、PTA活動のほとんどがそこに直結するようにしなければなりません。

まずは、既存の活動の大幅な見直しです。現存しているのには何らかの理由や根拠があるので、そこをはっきりさせて、子供の利益に直接つながっているか、残すのに整合性があるかを議論すべきです。

もし大人の事情や付き合い的な要素が含まれていれば、確実に見直しの対象とします。上位組織や関係団体、地域からの動員も聖域とせず、議論対象にしなければなりません。

そして、組織として大幅にシェイプアップした後、まさに「子供たちのために」学校と保護者代表(役員、総勢50~60人)が定期的に話し合う会合(運営委員会)を、活動のど真ん中に位置付けるのです。

「50~60人の保護者と自由に話し合うと収拾がつかなくなるのでは」と危惧される教育関係者は多いでしょう。確かに、中には返答に窮するような質問や要望もありますが、逆にそのような課題が学校にあるということでもあり、いずれにせよ今の時代、対策を打ち出さなければなりません。ほとんどの議題は建設的な雰囲気の中で議論され、学校サイドからすると「もっと早く保護者の意見を聞いておけばよかった」と感じることもよくあります。

意見や意向が見える形で迅速に反映されると、保護者の当事者意識は急激に高まります。そうなれば運営委員会は単に保護者の要求を聞く会ではなく、多忙化対策など、困っていることや相談したいことを学校側から保護者に提示する会にもなるのです。まさに同じ土俵、同じ目線で子供たちのために学校運営を考える役割を担います。役員への立候補は、子供第一の親心に寄り添うPTAだからこそ実現するのです。

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