【見落としがちな道徳の本質】教師の「強み」


東京都教職員研修センター教授 朝倉 喩美子



40歳になる教え子が言った。「先生、俺は小学校時代が一番楽しかったなあ。本当にさまざまな友達がいて面白かった。中学、高校、大学と進むに従って同じような考え方の友達ばかりになって、専門性は深まったけれど、だんだん心底楽しいと感じなくなった」。

ここに公立小・中学校の醍醐味(だいごみ)があるなと思う。公立では、土地柄によって若干の差はあっても、金銭的に裕福な家庭の子供もいればそうでない子供もいる。家族構成をはじめ住まいや衣服、朝夕の食事、日々眺めているもの、常日頃耳にしていることもそれぞれ違い、その幅がかなり大きい。

当然持ち合わせる能力、経験、生活習慣も千差万別で、そこから得た感じ方や考え方、価値観は全く異なる。……

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