【校長発のPTA改革】新しいPTAが果たせる可能性

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

それまでのPTA運営委員会は本部役員と管理職の総勢10人程度で、形式的な報告、確認が主な内容でした。しかし、新しい運営委員会は一般の役員にも門戸を開放し、出席者も50人近くに増えました。どんな意見でも受け入れるスタンスとしたため、さまざまな意見や要望が出されました。

以下は改革当初に出てきたものの一部です。

▽運動部以外の生徒も通学時は寒いので防寒具がほしい

▽修学旅行のアンケートの結果について説明がない

▽子供たちが自由に使える図書室の開室日を増やしてほしい

▽通学地域が拡大し、通学時間が伸びたのでボストン型バックは使いにくい

▽生徒が増えていて、文化部が少ないからつくってほしい

▽エアコン暖房導入で冬場の教室の乾燥がとても気になる。加湿器は?

▽みんなの学習クラブ(ネット配信教材)を自宅でもやりたい

▽先生によって明らかに贔屓(ひいき)があると子供たちは感じている。本当か?

▽夏休みの宿題、親が手伝っているのにどう評価しているのか

▽肌色ストッキングは嫌がるから黒もOKしてほしい

ささいなことから校則や学校予算、教員の指導の問題まで、簡単には判断できないことが多いのですが、校長として自分の考えをまとめ、何らかの対応策を説明しなければなりません。

まず、なぜそのような状態なのか(質問が出たのか)をしっかりと聞いて、自分なりに解釈し、その時点で可能な限り理由を説明します。当然、即答できないものは1カ月後の次回までに事実関係をきちんと調べて、具体的な説明や対応策を提示することになります。

以前ならこのようなやり方は「なぜあえて、寝た子を起こすようなことをするのか」「最初から校長が注文や苦情を受けたら苦しくなる」といった批判を受けたかもしれません。

ですが、今の時代に先送りやごまかしは、逆に不信を生んだり、傷口を広げたりする結果を招くだけです。学校の課題や問題点について最初に校長が情報を得て確認し、考えをまとめてから、教員に具体を考えさせたり指示を出したりする方が、適切かつ迅速に対応できるのではないでしょうか。

何より、その場にいる校長や50人以上の当事者で、子供のために課題について考えるのですから、少々の個人批判やネガティブな意見があっても、最終的には建設的な協議によって解決策を見いだす方向に向かいます。もはや何もかも学校だけで抱え、全方位的な配慮に縛られて苦しくなる必要はないのです。

さらに、もともと学校で課題とされ、解決を図らなければならないことは、結果的に保護者間の利害の対立に結び付くことも多く、学校が単独で判断したとなると、しんどくなってしまうのです。

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