【校長発のPTA改革】職員の意識改革

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

PTA運営委員会は本当に何が飛び出すか分かりません。「みんなで考えましょう」というコンセプトが浸透すれば、会を重ねるごとに和気あいあいとした雰囲気になり、無邪気な質問も多くなります。一方で、やや尖った苦情や要望も出てきますが、もしそれが誤解や勘違いに基づくものなら、学校が答えなくとも、保護者間の討議の中で決着がつくことも多くなります。

この運営委員会で話題になったことは、記録に残してすぐに全職員で共有します。当然、感謝される発言があると、当該の職員はうれしく、励みになります。

逆に苦言を呈された場合、個人的なことであっても、そのまま職員に伝えます。ただし、苦言や苦情の場合はきちんと対応しなくてはならないので、管理職が当該職員とその事柄についてしっかり協議します。対応策が簡単に提示できるものから解決が難しそうなものまでありますが、少なくとも学校として方針を明確にします。

また、簡単に校長が要望を聞いて「検討します」と答えることについて、これまでの学校文化からすると「順番が違うのではないか」「そんなことは聞いていない」と反発する職員がいるのではと思われるかもしれませんが、そのような対立は全くありません。

実現不可能な要望に対しては、その場で難しいと明確に伝えます。それに、そういった案件は他の多くの保護者が常識的なラインを明示してくれるので、必要以上にもめるようなことはありません。

職員が「校長が職員の意見や意思を無視するようなことはしない」「職員が抱えるような課題をあえて先んじて対応している」と校長に信頼を寄せ、ある程度の裁量権を与えてくれていることが大きな原動力になっています。

そして、校長が先頭に立って動く姿や、クレームが激減する事実など、目に見える形で結果を残している点も、さらなる職員の支持につながっていると考えます。

職員のこのような意識は、何もPTA改革だけで醸成できたわけではなく、ほぼ同時期にその他の学校運営の手法も大きく変更しました。特に学校評価活動を活性化し、生徒や保護者に実施するアンケートを重要視するようにしました。

どの学校も評価活動として授業や学校生活に関する生徒・保護者アンケートを実施しているでしょう。ただ、ややもすれば形式的になったり、その後の検証や改善がおろそかになったりしがちです。

そのあたりを徹底して学校運営に反映させるようにしたので、PTA運営委員会の在り方も特段、職員には抵抗がなかったのかもしれません。何より、職員にとってこのような取り組みが結果的に自分たちを守り、働き方改革にもつながっていくので、受け入れられているのでしょう。

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