【新たな英語学習のアプローチ(8)】中学校の授業案

上智大学言語教育研究センター非常勤講師 山ノ内 麻美

中学校の検定教科書は、文法シラバスを基盤に作成されているものが一般的である。そのため教科書の流れに沿って授業を展開すると、内容について深掘りする機会があまりない。より学習内容の理解を深められるよう、CLILの教育要素を用いる。

授業の最終ゴールは「不定詞の名詞的用法を用いて、将来の夢についてペアでインタビューし、その様子を発表する」と設定した。

4Cフレームワーク

①Pre-task

導入では、中学生の人気職業ランキングにどのような職業が入っているか、個人、またグループで推測させる。その際、生徒が英語の職業名を知らなければ日本語で発言させ、教師は英語で返答し、英語の職業名を何度も聞かせる。一通り職業名が出尽くしたら、実際のランキングを提示する。教科書に載っている職業と実際に人気のある職業が異なる場合は、全て提示するとよい。

②Presentation task

職業名の英語の発音を提示し、発音や書き方を練習する。また、不定詞を使った疑問文とその答え方を含むリスニングの練習をする。英文の構造を説明し、プリントで職業名や英文を書く練習をする。

③Processing task

生徒の親世代のランキングを提示し、中学生、クラス内のランキングと比較してみる。親世代の頃にはなかった新しい職業や、今はランキングに入っていない職業にどのようなものがあるか、アンケートを取って結果を考察する。例えば、親世代では野球選手が上位だが、今のランキングに入っていないのはそれ以外のスポーツの人気が高まっているから、という回答が想定できる。時代によって人気職業は変動すること、また新たな職業が生まれるという気付きをもたらしたい。

④Production task

将来就きたい職業を絵などで表現し、ペアでインタビューし合う様子を発表する。これまで習った表現を駆使して、志望理由ややりたいことを英語で伝える。

例)A: What’s your name ? What do you want to be in the future?

B: My name is… and I want to be an astronaut.

A: Why do you want to be an astronaut?

B: I want to be an astronaut because I like stars. I want to go to the space and look at them.

A: I see. That’s nice! Where do you want to live?

B: I want to live in Texas, U.S.A because there is NASA.

A: Cool! What’s this?(絵を指差して)

B: This is my pet dog. I want to take my dog to the space shuttle.

A: Wow! Sounds wonderful! Good luck!

【ワンポイントアドバイス】

CLILの要素を取り入れ学習内容を深めると、まだ学習していない英語表現を使う場面が出てくる。たとえ未習事項であってもコンテクストの中で使われていれば、生徒たちも意味は理解できる。単元の目標表現や語彙(ごい)を計画的に練習しながら、未習事項も織り交ぜて授業を展開することで、内容、言語共に豊かなインプットが与えられる。

参考文献:『フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業 生徒の主体性を伸ばす授業の提案』(和泉伸一著/アルク)

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