【校長発のPTA改革】問われる校長の力量

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

PTA関係者や保護者からよく質問を受けます。「PTA組織や活動を大幅に見直したり、運営委員会で多数の保護者と率直に意見交換をしたりすることは、どの校長にも可能ですか」と。

この問いに対して私は「手順も複雑でなく、改革そのものは特別なことではありません。要は、変えることに労を惜しまない気持ちの問題です」「何事もそうですが、特に長い期間変更されていないものはそれなりの理由があり、反対など大きな壁にぶち当たります。それでも、チャレンジするこだわりがあるかどうかです」と答えています。また「PTA改革は、すぐに大きな断崖のような壁にぶち当たりますが、それさえ越えれば、学校にとっても大きなメリットがあり、後はスムーズに運びます」と付け加えています。

この断崖は大きく分類すると2つに集約できます。

1つ目の崖は、活動の整理に伴う反対です。保護者から「無駄が多い」「これが子供のための活動なのか」と指摘される活動を整理するとき、これまでそれを当てにしたり、当然のものとして捉えたりしている関係者への説得や説明には労を要します。

主体であるPTA会長なり、本部の方たちで交渉が完結すればいいのですが、できなかった場合は校長として、学校として、立場を明確にして関与する必要があります。

ここで校長がしっかり説明せずに「私はそうでもないのですが……」などと逃げてしまうと、混乱に拍車をかけるだけです。粘り強く対応しなければなりません。

2つ目は職員からの反発です。校長と職員は上司と部下の関係ですから、上からの指示系統は当然存在します。しかし学校という職場は特殊な面があり、お互いの納得が最優先となるケースが数多く存在します。

なぜなら、部活動や土日の時間外労働は、暗黙の了解の下、教員の自発的な協力で成り立っているからです。

例えば、PTA運営委員会で「○○先生の部活指導はめちゃくちゃなので改善して欲しい。顧問を外してほしい」と要望が出されたとします。実際の指導内容を確認すると保護者が指摘するほどではなく、また顧問がその指摘に大きく反発している場合、校長は対応にとても苦慮します。このような学校文化の中で校長がPTA運営委員会と向き合うときに、教員が全幅の信頼を置いてくれるかが大きなポイントとなります。

PTA運営委員会では保護者の要望や疑問に答えますが、ガス抜きの場ではありません。複雑な地域の問題や、教員の個人的な資質に関することについても、現実の問題として子供のために保護者と議論する力量が問われます。そのため、校長が日頃から学校全般のさまざまなことを細部までしっかり把握しておくことが大切です。外部の用件で忙しくても、「案外、学校のことを知らない」と職員から指摘されないようにしなければなりません。

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