【探究的な問題解決能力(5)】国語で統計教育

国立教育政策研究所統括研究官 坂谷内 勝

表やグラフは、説明文や報告文のような文章の中によく出てきます。また、新聞や広告の情報の中でも使用されます。国語では、文書の中で出てくる表やグラフを正しく読み取ったり、発表するときに表やグラフを利用したりと、統計教育の実践の場があります。

以下、統計的な探究プロセス(とらえる―あつめる―まとめる―よみとる―いかす)の流れに沿って(1)鹿島市立北鹿島小学校の楠本由佳子教諭の授業と(2)戸田市立喜沢小学校の黒﨑正彦教諭の授業を紹介します。

(1)未来の町についてプレゼンテーションしよう

授業の目標は、複数の資料(表やグラフ)から読み取った情報を目的に応じて活用し、効果的に発表することです。楠本教諭は授業の成果の1つとして「北鹿島の漁業家数の推移と人口の推移などを比較しながら読み取ることで、解決すべき地域の課題についてグループ内でさまざまな考えを出し合うことができていた」と述べています。

○とらえる・あつめる:本や資料の表・グラフから情報を集め、町の未来についてプレゼンテーションする準備をします。

○まとめる・よみとる:プレゼンテーションの構成を考え、必要な資料を作成します。

○いかす:プレゼンテーションを行い、効果的にできたかどうか意見の交流を図ります。

(2)わたしたちの図書室改造提案

この授業は「図書室改造の提案書を書いて、みんなにアイデアを伝えよう」という学習課題で、統計資料を根拠として提案文を書くことが目標です。

図書室の貸出記録表の一部(出典:「統計学習の手法を取り入れて~提案文を書く学習の展開の中で(小学校第5学年国語)~」全国統計教育研究協議会編 )

○とらえる:図書室の貸出記録表(図)からどのような問題があるか話し合います。

○あつめる:自分たちの図書館について現状を捉える調査をします。

○まとめる:実態調査の結果を整理し、資料(表やグラフ)としてまとめます。

○よみとる:資料を根拠に、改善のための解決につながりそうな工夫を見つけたり、アイデアを練ったりします。

○いかす:提案書を書きます。提案書を互いに読み合って、書き方や提案に対する自分の考え方を伝え合います。

 

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