【校長発のPTA改革】改革は時代のニーズ

神戸市立桃山台中学校校長 福本 靖

第8回で指摘した通り、2019年1月の「学校における働き方改革」に関する中央教育審議会答申には、家庭の担うべき役割が示されています。

家庭の力、つまり保護者の力を再生しなければ、学校は立ち行かなくなることが明記されているのですから、「PTA改革」「保護者改革」はすでに学校の外側の問題ではなくなっており、学校が主体となってアプローチするべき課題なのです。任意の団体(PTAの「T」は教員ですが)だからといって、PTAを全て保護者たちに任せていたり、教職員の理解を得るために先送りしたりしているようでは何も進まないでしょう。

学校現場にとって教育改革といえば、約10年間隔で改訂される学習指導要領によって新たに示される教育活動に取り組むイメージです。学習指導要領は社会情勢の変化と、それに伴う子供の実態や課題を反映しているので、その新しいコンセプトや具体的な教育課程の編成を通じて、まさに「改革」を実感することになります。

ただ、それらはあくまでも教員と児童生徒に関する学校内の改革です。ベテランの教員ならこれまでに何回か経験しており、その都度、苦労しながらも順応してきました。

しかし、同じ改革でも保護者が大きく関与するPTA改革は学校外のこととされてきたために、ほとんどの教員にとって未知の世界であり、相当大きなインパクトを与える可能性があります。

その際、恐らくこれまでの感覚ではなかなか受け入れ難いことや、長時間の議論を要すること、難しい事情が多々出てくるでしょう。だからこそ、その具体的な内容を教職員にもしっかりと理解してもらうことがとても重要になってきます。

このような学校側の事情に歩調を合わせるように、PTA側も長年の制度疲労によって矛盾や不満が次々に噴出し、現状のままでは組織そのものの存続が難しい状況になっています。

したがって何らかの方策が必要になっているのですが、今後は学校側との深い議論なしには前に進まないでしょう。もし学校側の関与なしに簡単に改革が進むのであれば、すでにできているはずです。

結果として、ほぼ同じ時期に学校側と保護者側の双方に課題が出てきたことは、偶然ではなく必然であり、子供のために効率的に結び付くPTA改革は、時代のニーズなのではないでしょうか。

(おわり)

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