【「ギフテッド」の子供たち(2)】「ギフテッド」とは

どんぐり発達クリニック、ギフテッド研究所理事長 宮尾 益知
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ギフテッド(Gifted)とは、先天的に平均よりも顕著に高い能力(IQ=知能指数130以上)を持っている人、またはその能力を指す。発達障害と異なり、医学的な診断名ではない。

ギフテッドを判定する知能検査は、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定する心理検査の一つである。検査結果から認知発達の水準を評価し、その人の得意分野、不得意分野を分析して、発達支援や学習指導の方針を検討するためなどに用いられる。IQの値を指標とし、これに精神年齢や知能偏差値などを加味して測定する。一般的にはIQ70未満の場合支援が必要だと考えられており、医学的に知的障害と診断される。

しかし、同じ外れ値であるIQ130以上の子供は、医学的な支援が必要と考えられておらず診断名が付かない。内的な学び方の認知能力、学習能力が飛び抜けて高い特徴から、日本では彼らを「英才児」などと称することもあるが、これは子供を「飛び級できるような賢い子」という一面でしか捉えていないとも言える。

ギフテッドの子供は、常に多様な知的刺激を切望し、それを満たし、興味のある分野を自分の好む学習方法で極めて奥深くまで掘り下げていく傾向がある。結果的に、学んだ分野に関して高いレベルに到達することが多い。

さらに①記憶力が非常に優れている②すぐに物事を学び判断できる③年齢の割に語彙(ごい)が多く、複雑な構造の文章を話せる④数字やパズルなどの問題を楽しむ⑤感情の起伏が激しく、神経質⑥社会や政治、不正に対して関心がある⑦想像力があり、空想に夢中になる⑧好奇心が強い⑨集中力が高い⑩並外れたユーモアのセンスがある――などの特徴があるとされている。このようなプラス面が認められれば、素晴らしい大人になるだろう。

ギフテッドの子供が社会で成功するための教育の条件として提唱されているのが「ギフテッドの3つの輪」である。飛び抜けて高い知能に、創造性(流暢さ、柔軟性、思考のオリジナリティー、体験へのオープンさ、刺激への敏感さ、積極的にリスクを犯す)、課題へのコミットメント(やりぬく力、忍耐、ハードワーク、自信、特定の物事への魅了など、モチベーションが行為として表れること)が組み合わさったとき、「ギフテッドネス」(ギフテッドであること)が生かされると言われている。

ギフテッド教育、またギフテッドネスは「開発する」という考えから出発しなければならない。これからは「日本にギフテッドネスをつくり上げる」視点で考えていきたい。

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