【探究的な問題解決能力(8)】理科で統計教育

国立教育政策研究所統括研究官 坂谷内 勝
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理科は、自然の事物・現象についての観察、実験が多く、統計教育の実践を通して科学的な見方や考え方を養うことができます。

新学習指導要領では、教育内容の改善事項として「理数教育の充実」を提唱しています。また、中学校の理科では、「理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験などを行い、その結果を分析して解釈するなどの科学的に探究する(小学校:問題解決の力を養う)学習を充実した」と述べています。

以下、統計的な探究プロセス(とらえる―あつめる―まとめる―よみとる―いかす)の流れに沿って、大津市立瀬田北中学校の西山昌博先生による理科の授業「力の大きさとばねの伸び」を紹介します。

実験結果を記録する表とグラフのプリント(出典:「情報統計教育部会研究授業」全国統計教育研究協議会編)

授業では、ばねの代わりに輪ゴムを使って、輪ゴムに加わる力の大きさと伸びを測定する実験を行います。輪ゴムでもばねと同じような結果が得られることを知るとともに、実験結果をグラフ化し、グラフから物の重さを求めたり、実験値の誤差を確かめたりして、統計的な手法を学びます。

○とらえる:「輪ゴムははかりとして使えるか?」について考え、どのようにしたら精度の高い「ゴムばかり」ができるのか、実験の見通しを立てます。

○あつめる:おもりの重さと輪ゴムの伸びの関係から正確に実験し、データを測定してプリント(図)に記録します。

○まとめる:集めた実験データを表やグラフにまとめます。

○よみとる:作ったグラフから重さと輪ゴムの伸びが比例関係にあり、精度の高い「ゴムばかり」ができるかどうかを考えます。

○いかす:自分で作った「ゴムばかり」を使って、いろいろな物の重さを量ります。ばねとは違い、輪ゴムの伸びは正確な比例関係にはならないので、実験データから「20gから100gまでの重さのもの」であれば「ゴムばかり」は使えるという生徒からの意見がありました。また、同じ重さでも測定値が異なることがあるので、何回も測定すれば、より正確な値が出てくるのではないかという意見もありました。

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