【探究的な問題解決能力(9)】体育で統計教育

国立教育政策研究所統括研究官 坂谷内 勝
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体育では、体育と保健について学習します。体育では運動やスポーツの記録に関する統計教育を、保健では病気の予防や健康な生活についての統計教育を実践できます。

以下、統計的な探究プロセス(とらえる―あつめる―まとめる―よみとる―いかす)の流れに沿って、(1)神戸市立霞ケ丘小学校の神原綾太教諭の「走り高跳び」の授業と(2)大阪市立北田辺小学校の松本茂教諭の「ハードル走」の授業(※)を紹介します。

(1)走り高跳び

走り高跳びは、短い助走で高く跳ぶことができるかできないか、結果がはっきりしているため、対象の小学校4年生にとっては自分の記録から適した助走歩数を見つけやすい運動です。

○とらえる:自分に適した走り高跳びの助走歩数を見つけます。

○あつめる・まとめる:各自、3~5の助走歩数から3回の跳躍を行い、成功か失敗かを記録します。

○よみとる:記録から自分に適した助走歩数を見つけます。

○いかす:見つけた助走歩数で実践します。

(2)ハードル走

小学校6年生の「ハードル走」の単元で、ハードルを走り越す技能を身に付けられるようにします。50m走と50mハードル走の相関グラフを利用することによって、走能力の個人差が吸収され、全員が同一条件の下、目標記録への挑戦や競争が可能となります。

50m走と50mハードル走の相関グラフ(出典:「統計的手法を生かしたハードル走の学習指導」全国統計教育研究協議会)

○とらえる:50m走と50mハードル走の記録を計測し、相関グラフから各自の力を確認の上、自分に合ったインターバルを見つけます。

○あつめる:各自の50m走と50mハードル走の記録を集めます。

○まとめる:各自の50m走と50mハードル走の記録を1つの相関グラフにプロットします()。最初の記録と練習結果も相関グラフにプロットして比較します。

○よみとる:個人や全体の進歩の状況を、相関グラフのドットの推移から読み取ります。

○いかす:個人の記録(ドットの推移)から、良かった点、うまくできなかった点について話し合い、次の課題を見つけます。

※(1)2019年(2)1999年の授業実践。担当教諭の所属校は当時のもの

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