【「ギフテッド」の子供たち(4)】2Eの子供たちの実態

どんぐり発達クリニック、ギフテッド研究所理事長 宮尾 益知
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私たちのクリニックでは、多くのギフテッドや2Eの子供たちを診察し、彼らが過ごしやすい環境づくりや社会性を身に付けるための方策を考えている。今回は、彼らが学校教育の中でどのような困難やニーズを持っているのか、調査結果を基に示したい。

5歳から15歳までの2E(IQ130以上で発達障害のある人)の子供23人(男子14人、女子9人)に対し、学校での不適応の実態について調査した。併存診断は、ASD(自閉スペクトラム症)10人、ADHD(注意欠如・多動症)5人、併存型4人、疑いあるいは未診断が5人である。

『ASIST学校適応スキルプロフィール』(福村出版、2014)を用いた適応スキルの状況は▽生活習慣 8人▽手先の器用さ 10人▽言語表現 7人▽社会性 9人▽行動コントロール 5人――が学年のレベルに満たず、総合レベルでも5人が学年未満だった。手先の器用さや社会性、生活習慣が年齢相応でないことは、母親の「育てにくさ」に直結していると感じられる。

学習上問題となるのは▽意欲 42%▽身体性・運動 53%▽集中力 62%▽こだわり 28%▽聴覚の過敏さ 37%▽話し言葉 27%▽一人の世界・興味関心の偏り 37%▽多動性・衝動性 53%▽心気的訴え 42%――だった。意欲、身体性・運動、集中力、多動性・衝動性に関しては約半数が特別な支援を必要としている実態が分かった。

IQは非常に高いにもかかわらず、年齢相応の学習内容を達成できなかった子供もいる。国語では読字、自由作文で6人、算数は計算、文章題で3人、音楽は楽器演奏で6人、図工は3人、体育は1人に問題があり、その要因は不器用さと自分本位の症候によるものと考えられる。

「みんなで同じことをやる」のが基本の日本の学校教育は、このような子供たちにとって極めて窮屈なシステムになっているといえる。クリニックでは、2Eの子供たちと保護者への情報提供や交流を目的としたウェブサイト「ギフテッド・アカデミー」の運営をはじめ、さまざまな方法でその支援に当たっているが、彼らに対し、日本の療育施設や教育現場がどのように成長をサポートしていけるのか、その在り方を考えていきたい。

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