【探究的な問題解決能力(10)】 総合的な学習の時間で統計教育

国立教育政策研究所統括研究官 坂谷内 勝
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学校教育における探究的な問題解決能力の育成について、これまで国語、算数・数学、社会、理科、体育の各教科の中で実践できることを紹介してきました。教科以外では、総合的な学習の時間、学級活動、夏休みの自由研究(統計グラフコンクールへの応募)などで、統計教育が実践できます。

総合的な学習の時間では、国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題について学習します。この学習では特に、探究的な問題解決能力が重視されています。

今回は、統計的な探究プロセスの流れ(とらえる―あつめる―まとめる―よみとる―いかす)に沿って、給食の値段の安さに疑問を持った香川県の小学生による統計教育の実践事例を紹介します。

給食の材料の資料(出典:「給食の値段が安い理由を探ろう」第65回全国統計教育研究大会事例発表より)

○とらえる:給食1回分の値段(249~282円)がうどんの値段(300円)より安いことに驚いたのをきっかけに、給食の材料の資料(図)を使って給食が安い理由を明らかにし、給食の工夫をアピールします。

○あつめる:給食の材料を調べるために給食場の先生から献立表を見せてもらい、材料(調味料を含む)の種類や使用回数をパソコンに入力しました。

○まとめる:毎月の給食の材料を使用回数の多い順に並べ替えて、棒グラフを作成しました。さらに、材料の中には、同じ月に1回しか使われていないものから複数回使われているものまであるため、回数の少ない順に材料の種類を表した棒グラフを作成しました。

○よみとる:ニンジンを使う回数がどの月でも多いことが分かりました。そして、ニンジンは1日に2回使われる日もあり、ほぼ毎日使われていることが分かりました。
思ったより肉や魚が少ないこと、また1か月に1回しか使われない材料が70種類もあることが分かりました。

○いかす:今後の計画として、給食の材料の値段を調べ、くり返して使われている材料と1か月に1回しか使われない材料ではどちらが高いのかを調べてみることで、給食の値段が安い理由をもっとはっきり明らかにできると思います。

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