【働き方改革のキーパーソン(1)】事務職員は縁の下の力持ち?

埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤 靖明
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縁の下の力持ち――。これはわたしたち、学校事務職員(以下「事務職員」)を表現する言葉としてよく使われる。わたしはこの言葉が好きではない。いや、正確に言えば「事務職員だけに当てる言葉としてふさわしくない」と考えている。

確かに、学校という認知度が高い場所で働き、教員らと同じく義務教育費国庫負担制度が適用される職員であるにもかかわらず、その仕事内容は霧に包まれているがごとく知られていない。

そのため、必要な人材ではあるが、何か具体的な期待を寄せられることもなく、それ故「縁の下の力持ち」というイメージで表現されることが多いのだろう。しかし、わたしは子どもたちを〈縁の上に持ち上げて、それを支えていくのは全ての教職員〉という構図が正しいと考えている。

本連載の目的は、働き方改革の中教審答申から事務職員に求められている役割や期待を明らかにし、これまでの標準職務や校務分掌をベースにしながらも、新たな働き方を提案していくことにある。

普段、縁の下に隠れているイメージを持たれがちな事務職員に、全開でスポットライトを当てる。少々まぶしすぎる恐れもあるため、サングラスをかけて読むことを勧めたい。連載も後半になればその輝きにも慣れ、裸眼で事務職員の本質を見極められるようになっているだろう。

そして、その発達した目で身近な事務職員を見て、教育活動という舞台に誘ってほしい。これがわたしの最初で最後のお願いである。(了)

……というわけにもいかないので、残り13回分をダイジェストしておこう。

まず、1年前に中教審が答申した「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」から事務職員と関わりが深い部分を抽出し、求められている姿を確認する。

さらにその中教審がここ20年で、事務職員の働き方をどのように捉えているかを明らかにしておく。それらと対照するために、事務職員の一般的な仕事内容や校務分掌の基礎となっている標準職務も確認しておく。

続いて、働き方改革を実行するために求められる行動や意識などの総論を述べ、その考えをベースに、あらゆる切り口から事務職員の活躍を各論として述べていこう。

この連載を通して、事務職員がどのような役割を果たすことで、学校をどう変えることができるのか、また、誰(管理職、教員、保護者、地域など)とどのような協働ができるのか――を考えていきたい。そして最後に、事務職員の未来像を提案し、公立学校における役割と現代社会における職責を提言したい。


【プロフィール】

やなぎさわ・やすあき 埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査。日本教育事務学会理事。「事務職員の仕事を事務室の外に開く」をコンセプトに、事務室だより「でんしょ鳩」などを通じて教職員や保護者、子ども、地域に情報を発信。特に就学援助制度の周知や保護者負担金の撤廃に向けた活動に取り組む。著書に『本当の学校事務の話をしよう』(太郎次郎社エディタス)、『隠れ教育費』(同、共著)、『学校徴収金は絶対に減らせます。』(学事出版)など。

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