【学校安全のリデザイン(5)】 学校における防犯環境設計

日本こどもの安全教育総合研究所理事長 宮田 美恵子
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学校安全のリデザイン 災害、事件、事故から身を守る
 2001年に起きた池田小事件では、開いていた入り口から犯人が侵入したことから、学校の安全管理の在り方も問われた。付属学校の性質上、一般的な公立校と異なり、子供たちは受験を経て入学し、制服を着て校区を超えて通ってくる。自分たちが住むまちに存在しながらも接点のない「特別な学校」は、周囲の住民や地域の無関心を生み出しやすい。そして無関心は、犯罪を呼び込む。

 防犯のまちづくりの考え方として参考になるものに、「防犯環境設計論」(C. Jefferyら、1971年)のCPTED(セプテッド:Crime Prevention Through Environmental Design)がある。その基本となるのは「人間の行動は環境によってコントロールすることができる」という考え方だ。防犯という目的に向けて、環境の配置や物の形を変えることで、人間の行動をコントロールしていく。このような、犯行に及ぼうとする人間の行動を制御し、犯罪を予防する考え方を「犯罪機会論」と呼ぶ。

 CPTEDには4つの基本原則がある。……

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