【働き方改革のキーパーソン(3)】中教審で事務職員はどう語られてきたか

埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤 靖明
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中教審の議論に事務職員が登場する歴史は、実はそれほど古くない。初めてクローズアップされたのが1998年の答申「今後の地方教育行政の在り方について」で、前回紹介した「共同学校事務室」の前身とも言える「学校事務・業務の共同実施」が提言されたのである。これは、学校事務を効率的に執行するため、複数校を兼務させるなどして、学校事務やその業務を共同で行う施策だ。

その後、答申や作業部会において事務職員にもスポットライトが当たるようになってきた。例えば「渉外などにおいて学校経営の専門スタッフとして中心的な役割を担うこと」が期待されたり、「共同実施組織に事務長」を置くことが検討されたりした。

また「教員の負担を軽減するために事務職員を活用」なんていう提言も出てきた。そして、15年に中教審は3本同時に答申を出し、それぞれで事務職員への期待を提言している。

まず「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」。これは「事務職員」という文言が44回も登場するまぶしすぎる答申だ。この答申では、多種多様な専門性を持った人間がチームとして学校組織を支えていくことが語られ、事務職員はマネジメント機能の強化が期待されている。

続く「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」では、コミュニティ・スクールを推進し、学校と地域が連携・協働体制で子どもたちを育むことが語られ、事務職員は学校運営への参画や地域連携の推進が期待された。

そして「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」でも、事務職員への提言がある。この答申は、教員の研修・採用・養成に対する課題を解決し、資質向上を目指すという狙いがあり、事務職員は、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、活躍が期待されている。

この3答申は、チーム学校という「組織」、地域と共にという「体制」、教員の「資質」を一体で改革・提言する構成になっている。そして、新学習指導要領を実行に移すため、もう一つの整備条件である「人」の改革――これが「学校の働き方改革」答申につながっている。

以上の内容を踏まえて、いよいよ連載タイトルでもある「働き方改革のキーパーソン」としての事務職員に迫っていきたい。

しかしその前に、事務職員の標準職務や働き方改革への意識などを説明しておく必要がある。もう少し、総論的な内容にお付き合いいただきたい。

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