【こども哲学(8)】ファシリテーションのコツ

NPO法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
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こども哲学でファシリテーターを務める大人は、分からないことを確認したり、考えを深められるような質問をしたりする。この際、次の6つのこつを踏まえると、子どもが自由に自分の考えを述べ合う雰囲気が醸成され、対話が進んでいく。

1. 思考タイムづくり

質問や発言の後に、数十秒から数分の時間を取る。例えば対話の冒頭、あるいは途中で話題の観点が変わるときに、全員が一度立ち止まり、自分の考えを整理するために用いる。「ここで2~3分の時間を取るのでみんなで少し考えてみましょう」などと声を掛けて時間を取る。

2. まとめてもらう

対話の内容が複雑になってきた場合や、誰かの発言が長い・難しいとき、それまでの対話を要約してくれるよう誰かに頼むか、自分で要約する。「誰か今までの話の流れを一度まとめてくれませんか」「今までの流れは〇〇で、△△という話でした」などと言い、全員で確認する。

3. 全員に回答してもらう

複数の対立する立場の考えが出て、全員の考えを確認したいとき、あるいは全員の考えを聞いてみたいときに用いる。「問いについて、皆さんが賛成か反対か意見を聞いてみましょう」などと言い、順番に発言してもらうか、挙手で賛成・反対の意思を表明してもらう。

4. 追い掛け質問をする

誰かの発言を詳しく聴いて全員に共有したいとき、または誰かの発言を自分が理解できなかったときに用いる。「◯◯について、なぜそう考えたのか教えてもらえませんか」「◯◯というような発言だったと思いますが、合っていますか」などと質問して確認する。

5. あえて弁護論・あえて反対論

対話が一つの考えにまとまりそうなときや、他に対立する考えが出ないとき、ファシリテーターがあえて誰かの考えに賛成・反対の意を示して、反論や反例を提案する。「◯◯という考えに全員が賛成のようですが、これは××というようには考えられませんか」などと反論や反例を提起し、考えを吟味する。

6. 代案を提案してもらう

ある考えに対して代わりとなる考えや観点を求める方法である。全員の考えが偏っていて一つの考えに収束しかけているとき、本当にその考えで良いか、もう少し疑ってみたい場合に用いる。「◯◯という考えにみんな納得ですか」「別の考えを持っている人の発言が聞いてみたいです」などと言い、代案を求め、考えを深める。

これら6つのこつを意識しながら、ぜひこども哲学のファシリテーションに一度挑戦してみてほしい。

(アーダコーダ理事 堀越睦)

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