【働き方改革のキーパーソン(7)】働き方改革を支える職場環境

埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤 靖明
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「労働安全衛生法」という法律がある。その目的は「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する」だ。同法は、働き方改革が叫ばれる以前の2006年に改正され「学校教育の場でも労働安全衛生の必要性について指導を徹底すべき」という付帯決議が加えられた。

そして、学校現場でも衛生推進者や衛生管理者を中心に衛生委員会を立ち上げる取り組みが進んだ。わたしの勤務校がある埼玉県川口市では、各学校の衛生委員会とは別に、川口市の教職員全体(幼2園、小中78校、高1校の2500人前後)を対象とした総括労働安全衛生委員会を組織している。教育局の充て職と小中校長会の代表、教職員の代表6人が参加している。現在、わたしも教職員代表として委員7年目を迎えている。

総括組織のみならず、各校での取り組みも重要だ。わたしは、事務職員であり衛生推進者という立場でもあるため、職場環境の改善を目指して「おとなアンケート」を実施したことがある。「休暇は取りやすい環境にあるか」「職員室などの執務環境に不満はないか」「パワハラやセクハラを受けたことはないか」などを尋ねたものである。

中でも、職員室の執務環境は事務職員の仕事にもつながる。アンケートでは「ポットを買い替えてほしい」という要望や、「更衣室のカーテンが寸足らずだ」「エアコンの清掃が必要ではないか」などの声が届く。学校で改善できること、教育局へ要望が必要なことを話し合い、整理していった。

その結果、水あかがひどかったポットは新しいものに替えた。カーテンは継ぎ足すか、買い直すかで意見が割れたが、こちらも更新を決定した。エアコンの清掃は、執行可能な予算項目がなかったため、取り急ぎフィルターを洗ってみた(翌年度から教育局で予算化が実現した)。

このように、要望を出すと改善される(かもしれない)という意識を教職員に示すことで、さらに要望が出てくるようになる。要望したにもかかわらず改善の措置をしないままでは「出すだけ無駄」と思われてしまい、改善へのやる気も失せるだろう。

今回は、事務職員の関わりが深い物品購入を例にしたが、働き方改革の流れで今まさに行事の精選や会議の持ち方を再検討している学校も多いだろう。意見を聞く行為も大事だが、それに応える誠意も大事なのだ。すぐに改善できること、時間を必要とすること、校内で決められること、保護者や地域の声を集約する必要があることなど、内容はさまざまで、全てが容易にかなうわけではない。しかし、経過を伝え、共有していくことは思いのほか重要なのだ。

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