【働き方改革のキーパーソン(11)】PTA活動と事務職員

埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤 靖明
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事務職員がPTA(Parents & Teachers Association)における「T」の立場で活動に参加しているかどうかはさまざまで、全国共通ではない。しかし、活動の適正性を担保するためにその専門性を発揮することで、負担軽減につながる話もある。

念のため確認しておくが、学校とPTAは別組織であり、PTAはあくまで任意団体である。そして強制加入や会費の強制徴収、個人情報の共有に問題があることに、世間の認知も広がりつつある。

そこで、わたしは事務職員がアドバイザーとして関わることを勧めている。承知の通り、事務職員は教員採用試験ではなく行政職採用試験を受験し、教員とは異なる専門性を問われている。その中には法規に関する問いもあり、教職員の中では事務職員の相対的専門性が高いと考えるからである。

PTA役員といってもベテラン層ばかりでなく、ルーキー層かつフルタイムで働いている保護者も増えてきた。そのため引き継ぎなどの形骸化が否めず、前年度の踏襲を基本とする運営になっているだろうし、それを責められない部分もある。

よりよい活動にしていくために、教職員側として事務職員が関わる意義は大きい。ここでも相対的に事務職員は時間を融通しやすいし、保護者にとっても校長室より事務室の方が敷居も低く、気軽に相談できるのではないかと考えている。財的なマネジメントを中心に、各種負担軽減につなげていけるだろう。

ただし、安易に考えてほしくないのは「抱き合わせ徴収」である。PTAの負担を減らすために、事務職員が学校徴収金と共に会費を引き落とすことがある。これは法令に抵触しているケースが多い。

確かに、学校とPTAで個人情報を別個に収集するより、学校で集めた情報を流用する方が負担は減る。しかし、それは法令違反である。このように法令順守に関するアドバイスをしていくことで、結果的に問題を先送りせず、余計な仕事を増やさずに済む。学校もPTAもウィン・ウィンだ。

また、会費などの見直しに対してもアドバイスができるだろう。財的な見直しは事務職員の得意分野である。年会費が適切に執行されているのか、年会費の額自体が適切であるのか、このあたりはPTAだけではなく、学校側との調整が必要になることも多い(本来はPTA側が決めればよいと思っているが)。

役員会なども、日中の時間をマネジメントしやすい事務職員が出席する方がベターだろうし、連絡調整も容易だ。事務職員はPTA活動に対する総合的な優しい監査役を担うことができると考える。

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