【働き方改革のキーパーソン(12)】学級費は廃止すべき

埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤 靖明
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今回は、いわゆる「学級費」の話をしよう。念のため定義しておくと「主に学級で使用する物品や教材を購入するため、毎月集める1人当たり100円程度の現金」である。

最初に問題点を示しておく。最大の問題は、集金が先行していることだ。保護者は用途を示されない状態でお金を学校に徴収され、年度末に執行された状態を追認することしかできない。

また、集金が先行することによって集金額が固定化され、金額そのものの意義を検証しないまま慣習化されてしまう。その影響で、年度末にはゼロ精算を目的とした無駄遣いと思われても仕方がないような使い方をする場合がある。

例えば、卒業間近の3月に学級費全額を使用して「卒業記念ボールペン」を購入したり、ゼロ精算のためだけに「つづりひも」数本を数十円で購入したりすることがあった。このような使い方は、透明性や客観性に欠けていると言わざるを得ない。違いますか?

しかし、全て学級担任が悪いという結論に導くつもりはない。こうした問題が生じるのは、会計業務を得意とする事務職員の関わりが薄いからだとも言える。

また、第5回で書いたように「学級費は学級担任である教員が扱うべき」という固定観念が蔓延(まんえん)している状況も考えられる。管理職や教員、事務職員も、学校現場の「当たり前」を見直して職務に当たるべきである。

今回の例で言えば、公費を担当している事務職員が、学級費などの私費も担当することで財的な部分を総合的にマネジメントできる。そして、学級費に限って言えば問題がありすぎるため、適正化を目指すのではなく、廃止に向けた取り組みが必要だ。

学級費を廃止するメリットはいくつもある。①学校徴収金を減らすことができる②現金管理が減って事故を防げる③それに付随して会計簿などに関する事務作業から解放される④事務職員が管理する公費との調整により担任が買い物に行く手間もなくなる――などが考えられる。

廃止した結果、公費にしわ寄せがきたという事例はあまり聞かない。実態は、そもそも学級費があるから使っていたというケースが多い。万が一の場合は物品を指定して保護者に費用負担をお願いすればよい。これを一般的には「補助教材費」と呼ぶ。

紙幅の関係で問題点の提示と、改善後のメリットしか書けなかった。詳細は、拙著『学校徴収金は絶対に減らせます。』(学事出版)を参照してほしい。学級費の具体的な廃止方法や事務職員との関わりを詳しく述べている。

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