【片付けから始める学校の働き方改革(1)】学校は片付けを求めている

学校整理収納アドバイザー 丸山 瞬
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私は2020年の3月まで7年間、小学校教師として働き、計1万㎏のモノを断捨離してきた。その活動報告をSNSで発信していたところ新聞や雑誌、テレビなどに取り上げられ、現在筆を執らせていただいている。

普段は、乾いた洗濯物を取り込めるのに畳めない私が、学校の片付けの魅力にハマったきっかけは三つある。

一つ目は、働きやすくしたかったから。職員室で仕事をする中で、「どうして文房具がバラバラの場所にあるんだろう」「なぜ貸し出し用のパソコンが元に戻らないんだろう」といった違和感を覚えながら仕事をしていた。そこで、片付けや整理整頓を一から勉強して、働きづらさの正体を一つ一つ解き明かしていくことにしたのだ。

二つ目は、管理するモノが多いことに気が付いたから。片付けを進めることで、学校が抱える課題がクリアに見えるようになった。「管理するモノが多すぎる」という問題だ。

国算社理音図体家英総道の最大11教科を扱う小学校は、扱うモノの総量も多くなる。職員の異動が頻繁にあるため、管理責任者もコロコロ変わる。そうしてモノの所在の引き継ぎがうまくなされず、昭和時代からの大量のモノがたまったままになっていたのである。

三つ目は、「学校の片付けがスムーズに進む道」を見付けたから。整理収納アドバイザーという資格を勉強していくうちに、片付けには理論や方法がしっかりとあることが分かった。やり方を知れば、整理整頓は誰にでもできる。

ただし、学校内を片付ける際は、注意を払わなければならないポイント、押さえるべきツボがいくつも存在する。もしも誰かが、自分と同じように学校内の片付けを行うとき、つまずかないように「ここに石があるよ!」というポイントをまとめた。その方法を「学校の5S」と名付け、私のブログ「パラレルワールドですかここは」で無料公開している。

断捨離で捨てたモノの一部

今年2月、3年間にわたる学校での片付け実践をつづった本を出版させていただいた。タイトルは、『職員室のモノ、1t捨てたら残業へりました!』。前任校で、職員の残業時間を30%減らすことに成功した環境整備のノウハウを詰め込んだ本だ。うれしいことに環境整備の進め方に悩む全国の先生から共感の声が届いている。全国の学校が片付けを求めていることを意味しているのかもしれない。

10回にわたる連載では、1万㎏のモノを断捨離してきた経験を基に、学校の片付けを働き方改革につなげるロードマップを提案したいと思う。

【プロフィール】

丸山瞬(まるやま・しゅん)小学校教諭として働きながら、誰でもできる学校の働き方改革「学校の5S」をネット上に公開。現在は退職し、整理収納アドバイザー1級の知識を生かして、快適な学校づくりのアドバイスをする。最近はまっていることは深夜ラジオとサウナとスタンプラリー。著書に『職員室のモノ、1t捨てたら残業へりました!―「捨てる」から始まる仕事革命!』(学陽書房)。

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