【片付けから始める学校の働き方改革(2)】快適な職場環境はつくれる

学校整理収納アドバイザー 丸山 瞬
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「整理整頓をしましょう」

教師であれば、誰もが口にしたことのあるこのせりふ。子供に言うのは簡単だが、自分の机は見せられない。引き出しの中はパンドラの箱、回ってきた書類や配られたプリントなどもついつい積み上げてしまう。大人も子供も「分かっちゃいるけどやめられない」のだ。

しかしながら、自分の机などを片付ける機会は毎日訪れる。脳内で流れるスーダラ節をかき消して整理整頓をするためには、その本質を正しく理解する必要がある。一緒に考えてみよう。

なぜ、身の回りを片付けるのか――それは、気持ちよく働くためだ。きちんと整った環境は無駄が少なく、ミスが減り、仕事の効率が上がる。効率が上がれば時間的な余裕が生まれ、教材研究ができたり早く帰れたりする。仕事をできるだけ無理なくこなせるサイクルがつくれれば、健康で長く働けることにもつながる。さらに視野を広げて、学校全体を片付けるとどうなるか。

まず、無駄なモノが減ることで混乱がなくなる。同じ種類のモノが決められた場所に配置されることで、誰もが使いやすく、戻しやすくなる。これだけで仕事の能率は格段に上がる。

モノが減ると、今度は使われていないモノや古いオフィス家具に目がとまるようになる。昭和から使い続けてきた壊れかけの机もやっと更新できる。

使っていない棚などを教室や職員室から移動させることで、空きスペースができる。できたスペースは、そのまま余白として残してもいいし、必要なオフィス家具を導入してもいい。古いモノをアップデートすることで、新しい活動を始めることができる。

このように、身の回りや学校全体を片付けることで、働く教職員や子供たちが過ごしやすい環境をつくりだせるのだ。環境が整備されると、職員の心に余裕が生まれ、やがてそれは子供たちに還元されていく。その本質を理解すれば、整理整頓も続けやすいのではないだろうか。

学校全体の環境整備のために必要不可欠なのが、管理職や教職員の理解と協力だ。片付けのゴールイメージや、「何のために行うか」といった意義を職場のみんなで共有し、誰もが過ごしやすい学校を目指していってほしい。

学校はいつからか「ブラック」だという認識が広がってしまった。教員採用試験の倍率も下がり、休職者や離職者も増えている。持続可能な教育を続けていくためにも、片付けによって明るい未来が描けることを伝えたい。

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