【片付けから始める学校の働き方改革(4)】片付けのマインドセット

学校整理収納アドバイザー 丸山 瞬
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片付けを始めるにあたって一番重要なことは、モノの本質や考え方、理論などを知ることである。そこで今回は、働きやすい環境をつくるために知っておきたい考え方と理論を紹介する。

まずは、身の回りの断捨離をする際の考え方。モノを断捨離するという行為は、端的に言えば「要と不要を区別すること」である。理屈はシンプルだが、その判断は容易ではない。教員によって、考え方や価値観が違うからだ。

金色の折り紙を大切に取っておいたものの、結局お道具箱の中でぐしゃぐしゃになってしまった…なんて経験がある人は、「古い」「汚れている」「多すぎる」「壊れている」「使いづらい」「今は使っていない」「存在を忘れている」のうち、どれか一つにでも当てはまったモノは整理対象に入れる。そうした基準に照らし合わせるようにすれば、手放しやすくなる。

また、モノには、時間の経過とともに不要なモノへと変化する性質がある。財布の中でクーポン券の期限が切れて使えなくなるように、放っておくだけでも整理対象は日に日に増え続けることを覚えておこう。

学校の5S

次に、学校全体の断捨離をする際の理論。学校として、組織的に片付けを行う場合は、「学校の5S」を軸に作業を進めるとやりやすい。5Sとは、トヨタが取り入れている生産管理のためのスローガンで、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の頭文字を取ったものだ。働く人の健康を第一に考える労働安全衛生の分野では、とてもポピュラーな概念である。

ただ、トヨタのような製造業で使われる5Sと、教育現場で使う5Sは意味合いが微妙に違う。製造業では生産管理や売上向上のためといった意味合いが強いのに対し、学校では職員の健康や安全を守るためのものである。そのため、5項目の最後の一つを変えて「整理・整頓・清掃・清潔・習慣」を学校の5Sと呼ぶことにしている。

整理とは、不要なモノを取り除くこと。整頓とは、使いやすいように並べて表示をすること。清掃とは、ほこりがたまらないように掃除をすること。清潔とは、きれいにした状態を保つこと。習慣とは、これらを小まめに続けることである。

ところで、働き方改革に必要な二つの種は、既に私たちの手の中にあることをご存じだろうか。一つは安全衛生委員会を適宜開きながら働きやすい職場をつくる「ローアン活動」。もう一つはその活動を進めるリーダーの「衛生推進者」。いつか咲く花を想像しながら、忘れずに水をやろう。

このように、5Sのような他業種で取り入れられている方法、衛生推進者のような既にある仕組みなどを使って学校全体をマネジメントしていくことが、今後求められるのではないだろうか。考え方一つで、風向きは大きく変わる。

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