【片付けから始める学校の働き方改革(5)】整理しない整理整頓のススメ

学校整理収納アドバイザー 丸山 瞬
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初任者の頃の私は、「職場で配られた書類をうまくファイリングできない」という悩みを抱えていた。そこで、いつも定時で帰る同僚の教員にのび太のように泣きつき、どうしたらそんな風にスッキリと仕事ができるのかを聞いてみた。

すると一言、「自分が管理するモノを減らしたら?」とだけ教えてくれた。

それまで私は、仕事が早い人は出来杉くんのように高速でタスクを処理し、配られたプリントは全てきれいにファイリングしているものだと思っていたし、無意識にそこを目指していた。

しかし、仕事のスピードを上げるためには、書類のファイリングのような手間を省くことこそが本質であることに気付いた。私は考え方を変えて、次のような方法で管理するモノを減らしてみることにした。

一つ目は「捨てられる書類を見極める」こと。当時、日々配られる書類には、一度確認するだけでよいものと後から見返す必要のあるものが「7対3」くらいの割合で混在していた。私はきれいにファイリングすることを諦め、「必要なことだけメモしたからOK !」と判断して、書類の多くを捨てるようにした。その結果、ファイリングする量が減り、後で見返しやすくなった。

二つ目は「簡単な仕事は瞬殺する」こと。多くの仕事に日々追われている教員だが、たまに「間違ってなければ次の人に渡して」など簡単な仕事が回って来ることもある。「10分後にやろう」とその紙をポンと置けば、いずれ別の紙の下敷きになって埋もれてしまう。バレーのパスは落とさずにつなごう。

年に数回しか使わないモノは、机からロッカーへ移動させる

三つ目は「モノを別の場所に移動させる」こと。自分が所有しているモノを全て個人の机にしまっておく必要はない。年に数回しか使わないモノをロッカーに移動させれば、管理するモノの数が減らせる。また、お役立ちプリントや教育書などは、学年専用の棚に移動させれば他の教員と共有もできる。

四つ目は「子供のノートは運ばない」こと。職員室で子供のノートの丸付けをすると、仕事が早く進んでいるような錯覚に陥る。でもよく考えてみてほしい。教室で丸付けをするときと比べて、「重い物を持ち運ぶ手間」「30冊のノートを整頓する手間」「作業スペースを確保する手間」などが発生している。「ノートは運ばない」と制約をかけると、モノがあちこちに移動して管理しなければならない煩わしさは感じなくなる。

こうして仕事ぶりを見直すと、当たり前の中にこそ改善点が潜んでいることに気付く。整理整頓が苦手な方は一度、整理整頓をしないで済むくらいモノを減らしてみてほしい。必要な書類まで捨てそうで怖いかもしれないけれど、大丈夫。多分、隣の先生が持っているから。

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