【片付けから始める学校の働き方改革(10)】KPT(ケプト)ボードを使った業務の削減

学校整理収納アドバイザー 丸山 瞬
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木々の隙間から湧き出た水はやがて川になった。注ぎ込む水が、水車をゆっくりと押し始めた。ザアーと勢いよく水があふれでる。風が心地いい。

先生たちからアイデアが出始めたら、その歩みを止めないように仕組みを作るところまでがゴールである。具体的な取り組みを三つ紹介する。

一つ目は、KPT(ケプト)ボード。「KEEP」「PROBLEM」「TRY」の頭文字をとったもので、業務の精選をするための掲示板だ。
改善点を思いついた人は付箋に書いて「PROBLEM」のところに貼る。貼られた課題をどうするか、管理職や担当の先生と相談する。「KEEP」するのか、実際に「TRY」するのかを判断し、付箋を動かす。決まったことは会議や朝の打ち合わせで周知する。

KPT(ケプト)ボードを使った業務の削減

働きにくさを感じながら現状を先延ばしにするのが一番良くない。改善案は思いついたらすぐに職場全体でシェアし、話し合ってみることが大切なのだ。

二つ目は、労働安全衛生委員会の開催。管理職を交えて、先生たちの健康や施設の安全性について検討する。事前に働き方に関するアンケートを取っておいて、それについて話し合ってもいい。

なお、教職員が50人以上いる場合は、労働安全衛生法によってこの会議の開催が義務付けられている。50人以下の職場でも、衛生推進者を立てて同様の活動を行えることは知っておこう。

三つ目は、衛生教育の実施。KPTボードを設置し、労働安全衛生委員会を開催して意見が伝えられる仕組みを整えても、学校運営への参加をためらう先生はいる。より良い労働条件を求めることは、決してわがままではない。自分たちの健康や保障された権利について、カジュアルに学べるワークショップを企画してみよう。

例えば、自分の1日の時間の使い方を円グラフに書いてみる。次に3~4人の小グループに分かれて、円グラフを比較する。気になったところは質問し合うことで、お互いを知るきっかけができる。

実際にやってみると、1年目の新任先生と30年目のベテラン先生では時間の使い方がずいぶんと違うことに気付くだろう。プライベートを大切にすることは、仕事の質にも影響する。誰もが健康的に働けるようにサポートし合っていこう。

以前、休憩時間に「フィーカ」と呼ばれる休憩会を行った。中庭でチョコレートを片手に、コーヒーを飲みながらおしゃべりをするのだ。その時の皆さんの和やかな笑顔が忘れられない。日々の忙しさもあって結局1度しか行われなかったが、とにかくやってみることに意義があると思う。

新型コロナウイルスの影響で、今、学校は大変な状況下に置かれている。この文章が、少しでも皆さんの働き方の助けになることを願っている。

(おわり)

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